マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国の早期の利上げ観測による円安で日経平均大幅反発
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場は、イエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演や、フィッシャーFRB副議長のインタビューでの発言を受けて米国での早期の利上げ観測が高まったことでドル円が102円台前半まで円安に振れたことから3日ぶりの大幅反発となりました。270円高の16,631円で寄り付いた日経平均は、買い気配の銘柄が寄り付くなか取引開始からしばらくして16,700円台を付けると、後場に入り上げ幅を400円余りまで広げました。ほとんど押すことなく一日を通して高値圏で堅調に推移した日経平均は結局376円高の16,737円で取引を終えています。このように日経平均は大幅高となりましたが、商いは盛り上がらず東証1部の売買代金は1兆8027億円と2兆円を割り込んでいます。また、新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が小幅に上昇しています。
2.個別銘柄等
半導体製造装置メーカー大手7社の2016年4-9月期の受注高が約7300億円と2015年度下期比で約4%増え2006年度下期以来9年半ぶりの高水準となりそうだとの報道を受けて半導体製造装置メーカーが買いを集めました。アドバンテスト(6857)やSCREENホールディングス(7735)、日立ハイテクノロジーズ(8036)が一時4%以上上昇したほか、東京エレクトロン(8035)も一時2%を超える上げとなり、揃って年初来高値更新となっています。また、米金利上昇で運用環境が改善するとの見方や、円安で外貨建て資産から得る配当や利息収入の目減りに歯止めがかかるとの期待から生損保株が大きく上げています。東京海上ホールディングス(8766)が3%を超えて上昇し、第一生命保険(8750)とT&Dホールディングス(8795)も5%以上上げています。一方で小売り株に大きく下げるものがみられました。8月の既存店売上高が1.3%増に止まり伸び悩みとなったドラッグストアーのクスリのアオキ(3398)が7%余りの下落となったうえ、外資系証券が目標株価を大幅に引き下げたカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が12%近く下げ急落しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は円安を好感して大幅反発し16,700円台を回復しました。このため節目の17,000円へのトライを期待したいところですが、日経平均は7月と8月に二度に渡って17,000円を前に跳ね返されています。16,500円から17,000円は調整局面入りとなった昨年12月からの累積売買代金が最も多い価格帯であることから17,000円回復には一段の円安とともに、本日のように2兆円を割り込むことも珍しくない東証1部の売買代金の回復も必要となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場は小幅反落でほぼ横ばい 香港市場も小幅反落
上海総合指数:3,070.03(-0.28)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):22,798.27(-111.27)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反落しました。売りが先行した上海総合指数はこのところサポートとなっている200日移動平均線(本日時点で3,061ポイント)近辺で下げ渋るとプラスとなる場面もみられましたが、買い材料に乏しいこともあって上値は重くほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数も小幅に反落しています。米国の早期利上げが意識され下落して寄り付いたハンセン指数は本土市場の持ち直したことを受けて下げ幅を縮めているものの、引き続き軟調な展開となっています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、なかでも公益事業株指数と不動産株指数が1%近く下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、米利上げ観測再燃でサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)やヘンダーソンランド (恒基不動産・00012)などの不動産株が下落しています。また、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)やティンイー (康師傅・00322)、中国乳製品メーカーのモンニュウデイリー (蒙牛乳業・02319)などが先週大きく上昇した反動から揃って2%超の下げとなっています。一方で好決算が引き続き好感されリソーシズランド (華潤置地・01109)が2%超の上昇となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)