市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は早期の利上げが意識され反落 日本市場は円安を好感し反発か

NYダウ: 18454.30  ▼48.69 (8/30)
NASDAQ: 5222.99  ▼9.34 (8/30)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はフィッシャーFRB副議長が米メディアのインタビューに対し今後の金融政策について経済データ次第と述べ、9月の利上げの可能性を否定しなかったことから早期の利上げが意識され反落となりました。寄り付き直後は小幅に上昇する場面もあったダウ平均ですが買いが続かず直ぐにマイナスに転じると、その後は軟調な展開が続き午後には90ドル以上下落する場面もありました。引けにかけてやや下げ幅を縮めたダウ平均は結局48ドル安の18,454ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント安の5,222ポイントとなっています。

2.経済指標等
6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年同月比5.1%上昇となったものの、市場予想は下回りました。一方でコンファレンスボードが発表した8月の米消費者信頼感指数は101.1となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業や一般消費財・サービス、生活必需品、ヘルスケアなどの9業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となりました。一方で金融が上げています。

4.個別銘柄動向
アップル(AAPL)が軟調でした。アイルランド政府が最大で130億ユーロの違法な税優遇をアップルに与えたと判断し、EUの欧州委員会が追徴課税に踏み切ることが明らかになったことが嫌気されました。また、決算が減収となったうえ業績見通しも慎重と受け止められたカジュアル衣料品大手のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)が20%安となり急落しました。複数ブランドのライセンス生産を手掛けるG-3アパレル(GIII)も決算で最終損益が赤字に転落し、通期の業績見通しを下方修正したことから同じく20%安と急落しています。一方で傘下のユナイテッド航空の社長に競合先の社長を迎えたと発表したことで経営陣の刷新を好感した買いが入った航空大手のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)が大幅高となっています。

5.為替・金利等
長期金利は前日と変わらずの1.56%となりました。ドル円はフィッシャーFRB副議長のインタビューでの発言を受けて円安が進み、103円近辺での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円安を好感して反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円の動向をにらみながらとなりそうですが、2日連続で2兆円を割り込んだ東証1部の売買代金に回復がみられるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。