マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均は引けにかけ買いが入り反発 日本市場は米雇用統計の発表を控え様子見か
NYダウ: 18419.30 △18.42 (9/1)
NASDAQ: 5227.21 △13.99 (9/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。米ISM製造業景況感指数の悪化や原油価格の下落を受けて一時105ドル安まで売られたダウ平均ですが、売りが一巡すると早期の利上げ観測がやや後退したこともあって持ち直し昼過ぎには一旦プラスに転じました。その後も軟調な展開が目立ったダウ平均ですが、米雇用統計の発表を翌日に控え引けにかけて持ち高調整を目的とした買いが入ると結局18ドル高の18,419ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント高の5,227ポイントとこちらも3日ぶりの反発となりました。一方でS&P500株価指数は0.09ポイント安の2,170ポイントとほぼ横ばいで取引を終えています。
2.経済指標等
8月の米ISM製造業景況感指数は49.4と前月の52.6から悪化し、半年ぶりに好不況の境目とされる50を下回り市場予想を下回りました。7月の米建設支出も前月比横ばいとなり市場予想を下回っています。8月の米新車販売台数は年率換算で1698万台となり、こちらも市場予想を下回りました。4-6月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比0.6%低下し速報値から0.1ポイント下方修正されましたが、市場予想とは一致しています。先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比2000件増の26万3000件と悪化したものの、市場予想ほどは悪化しませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち情報技術や素材、電気通信サービスなど6業種が上げました。一方で公益事業、金融などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
米国を中心に7000人規模の人員削減に踏み切ると伝わったウォルマート・ストアーズ(WMT)が2%近く上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、S&P500株価指数の構成銘柄への採用が決まったCATV大手のチャーター・コミュニケーションズ(CHTR)が大幅高となっています。一方で決算とあわせて発表した利益見通しが市場予想を下回った食品大手のキャンベル・スープ(CPB)や、8月の既存店売上高が市場予想に届かなかった会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)が大幅安となっています。8月の米新車販売台数が前年を下回ったゼネラル・モーターズ(GM)とフォード(F)も下げています。
5.為替・金利等
長期金利は米ISM製造業景況感指数の悪化を受けて前日比0.01%低い1.57%となりました。ドル円は104円まで円安が進む場面もありましたが、米ISM製造業景況感指数の悪化を受けてドルが売られ朝方は103円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は小幅に高安まちまち、朝方のドル円も103円台前半と昨日とほぼ同水準での推移となるなど、外部環境に大きな変化がないことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか今晩に米雇用統計の発表を控えていることから日中も様子見の展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)