市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は米雇用統計の発表を控え様子見でほぼ横ばい 今晩の米雇用統計の発表に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は米雇用統計の発表を控え様子見となるなかほぼ横ばいとなりました。23円安の16,903円で寄り付き、しばらくマイナス圏で推移した日経平均は大きく下げることなく底堅さをみせたことで10時過ぎにプラスに転じましたが、昨日同様に7月と8月に付けた高値水準である16,940円どころを超えたところで上値を押さえられ前場は7円高とわずかに上昇して引けました。21円安と小幅に下落して始まった後場の日経平均は80円安近くまでやや下げ幅を広げる場面もありましたが、三桁の下げとなるようなことはなく下げ渋ると1円安の16,925円とほぼ横ばいで取引を終えています。一方で大型株がしっかりでTOPIXは小幅に3日続伸となっています。東証1部の売買代金は1兆8673億円と昨日に続いて2兆円を割り込んでいます。また、新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が小幅に5日続伸となっています。

2.個別銘柄等
昨日同様に食品や医薬品、小売りといった内需ディフェンシブ銘柄が高く、なかでもJフロントリテイリング(3086)が5.2%高、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が3.8%高、高島屋(8233)が3.4%高となるなど百貨店株に大きく上げるものがみられました。材料が出たところでは、半導体受託生産で世界最大手の台湾TSMCと最先端の車載用マイコンを共同開発し、自動車の省エネや高度な自動運転技術に役立つ演算性能の高いマイコンを2020年メドに量産すると発表したルネサスエレクトロニクス(6723)が3.3%高となったほか、減益を見込んでいた上期(2-7月期)の営業利益が一転して増益になりそうだと報じられた東京ドーム(9681)が5.1%高と大きく上げています。関西スーパーマーケット(9919)は首都圏地盤の食品スーパーのオーケーの株取得が思惑を呼びストップ高となり、東証1部で値上がり率トップとなっています。一方でアップル(AAPL)がサプライヤーに新型iPhone向け部品の値下げを要請しているとの報道を受けてアルプス電気(6770)や太陽誘電(6976)、村田製作所(6981)などの電子部品メーカーが売られ、アルプス電気は4.7%安と大きく下げています。目標株価や投資判断に変更等があったところでは、投資判断の引き上げを受けて三陽商会(8011)が3.1%高となり、国内証券が強気の投資判断を付けたことでマツモトキヨシホールディングス(3088)も4.2%高と買われました。反対に国内証券が目標株価を引き下げたことで後発薬の日医工(4541)が3.3%安となり年初来安値を更新しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今晩は21時30分(日本時間)に8月の米雇用統計が発表されます。良好な結果となれば今月の20日-21日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見通しがさらに高まりそうで、一段と円安が進む可能性もあります。円安となれば日経平均が節目の17,000円やそのすぐ上にある200日移動平均線(17,047円)を回復できるかがポイントとなってきますが、今年一度も上回っていない200日移動平均線回復となれば強気に転じる参加者も増えそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場はほぼ横ばい 香港市場は続伸

上海総合指数:3,067.35(+4.05)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,259.54(+97.2)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。強弱材料が入り混じるなか上海総合指数は1日を通して昨日の終値を挟んで小幅に一進一退となり、方向感に欠ける展開となりました。国有企業のなかの中央企業の会社制度切り替え期限が来年12月末に設定されたと伝わり、国有企業改革の加速を見込む買いが相場を支えた一方で、今週の中国人民銀行(中央銀行)の公開市場操作が4週ぶりに吸収超過に転じたことが重石となりました。上海総合指数は結局0.1%高とほぼ横ばいで取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は続伸しています。昨日の終値の近辺でスタートしたハンセン指数は、CKHホールディングスなどの主力株が大きく買われたことを背景に上げ幅を広げ一時0.6%高まで買われると、その後も堅調に推移しています。日本時間16時時点で不動産株指数と金融株指数、商工業株指数が上昇する一方で、公益事業株指数がわずかに下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、イタリアでの通信事業の統合について欧州当局の認可を受けたことが好感され複合企業のCKHホールディングス (長和・00001)が大幅に上昇し、1銘柄でハンセン指数を20ポイント以上押し上げています。また、中国主要都市の不動産価格上昇を受けてチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)やリソーシズランド (華潤置地・01109)といった不動産株が揃って2%を超える上昇となっています。

一方で前日大きく上昇した反動からカジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)が下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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