マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均44円高と小幅に続伸も商いは低水準 今夜発表の米国の経済指標に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は44円高の1万7081円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場がレイバー・デーの祝日のため休場で材料不足のなか、日経平均は2円安の1万7035円とほぼ横ばいで寄り付きました。日経平均はまもなくプラスに転じた後再び小幅安となるなどしばらくは方向感に欠ける展開となりました。9時半過ぎから再びプラスに転じた日経平均はその後上げ幅をやや広げると36円高で前引けをむかえました。後場に入っても大きな値動きはなく小高い水準での推移が続いた日経平均は、そのまま小幅高で取引を終えました。日経平均の高値と安値の値幅が75円と非常に狭いなか取引は膨らまず、東証1部の売買代金は1兆6249億円と活況の目安とされる2兆円を大きく割り込みました。東証33業種は水産・農林業、その他製品、建設業、食料品、サービス業など内需関連業種を中心に28業種が上昇しました。一方で鉱業や昨日大きく上昇した海運業など5業種が下げています。東証1部の値上がり銘柄数1,561に対して値下がり銘柄数は311と値上がり銘柄が多数を占めました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの三菱UFJ(8306)、任天堂(7974)、三井住友(8316)、みずほ(8411)などが上昇した一方でトヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)はそれぞれ下げています。材料が出たところでは、昨日の大引け後に配当予想を増額したピジョン(7956)が7.3%の大幅上昇となりました。一方で総還元性向100%の目標を撤回すると報じられたアマダホールディングス(6113)は5%超の大幅安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
小幅に続伸した日経平均ですが、米国市場が休場だったこともあり非常に狭い値幅で取引も低水準となりました。今夜の米国市場ではISM非製造業景況指数や米労働市場情勢指数(LMCI)といった今月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ判断に影響を与える可能性のある重要指標が発表されます。これらの指標が堅調であれば円安ドル高に、軟調であれば円高ドル安が進みやすいとみられ注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場ともに続伸しハンセン指数は連日で年初来高値を更新
上海総合指数:3,090.71(+18.62)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,753.77(+104.22)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続伸となりました。小幅に下落して寄り付いた上海総合指数はしばらくして0.6%安まで売られましたが、供給側改革への期待が根強く相場の下支えとなり、徐々に買い戻されるとプラスに転じました。その後上げ幅を広げ一時節目の3,100ポイントに接近する場面もみられた上海総合指数は、引けにかけて上げ幅をやや縮め、結局0.6%上昇して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は続伸しています。昨日指数が大きく上昇したこともあって前場に一時0.4%安まで売られたハンセン指数ですが、原油価格の上昇や本土市場の切り返しなどを受けてしばらくして持ち直しプラスに転じました。その後、ハンセン指数は堅調な推移を続けており連日で年初来高値を更新しています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも商工業株指数及び金融株指数の上昇率が目立っています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、本日の主役は自動車株です。2016年8月の新車販売台数が前年同月比69%増となったことが好感され民営自動車メーカーであるジーリーオート (吉利汽車・00175)が4%超上昇しています。また、前日に発表された好決算に加え、8月の新車販売台数の大幅増加も材料視され中国自動車のグレートウォールモーター (長城汽車・02333)が5%を超える上昇となっています。さらに、値嵩株のインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)が上場来高値を更新しているほか、供給側改革への期待から石炭大手のシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)も堅調推移となっています。
一方で、前日まで大きく上昇していた反動から複合企業のCKHホールディングス (長和・00001)が1%近く下落しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)