マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は続伸 ナスダック指数が史上最高値を更新 日経平均は円高を嫌気し17,000円を割り込む展開か
NYダウ: 18538.12 △46.16 (9/6)
NASDAQ: 5275.91 △26.01 (9/6)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は大型のM&A報道が相次いだことが支えとなり続伸しました。上昇して始まったダウ平均は取引開始後しばらくして60ドル高近くまで買われましたが、8月の米ISM非製造業景況感指数の悪化を受けて下落に転じると一時40ドル安余りまで売られました。その後持ち直し昼前にプラスとなったダウ平均は堅調に推移すると結局46ドル高の18,538ドルと3日続伸で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も26ポイント高の5,275ポイントとこちらも3日続伸となり、8月15日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
8月の米ISM非製造業景況感指数は51.4と前月の55.5から大幅に低下し市場予想を大きく下回り、2010年2月以来6年半ぶりの低水準となりました。また、8月の米労働市場情勢指数(LMCI)も マイナス0.7と前月の1.0から悪化し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が上げ、エネルギーと公益事業が1%を超える上昇となったほか、電気通信サービスも1%近く上げています。一方で資本財・サービスと金融、素材の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
カナダのパイプライン大手のエンブリッジ(ENB)が総額280億ドルで買収すると発表した同業のスペクトラ・エナジー(SE)が急伸し、エンブリッジも大幅高となりました。また、ゼネラル・エレクトリック(GE)が3Dプリンターを手掛ける欧州企業2社を総額14億ドルで買収すると発表したことで、今後3Dプリンター企業のM&Aが活発になるとの思惑から3Dプリンターを手掛けるストラタシス(SSYS)や3Dシステムズ(DDD)が大きく上げています。ゼネラル・エレクトリックは買収金額が割高との見方から下げています。独バイエルが買収価額を引き上げたことで遺伝子組み換え種子最大手の米モンサント(MON)は買い先行で始まったものの、買いが続かず下げて取引を終えています。バイオ検査機器のセフィード(CPHD)を買収すると発表した検査機器世界大手のダナハー(DHR)も財務負担を嫌気した売りで下げています。セフィードは買収価格にさや寄せする格好で急伸しました。
5.為替・金利等
長期金利は米ISM非製造業景況感指数の悪化を受けて9月の利上げ観測が一段と後退し0.07%低い1.53%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ101円90銭台を付ける場面もありました。朝方は102円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を嫌気して反落でのスタートが予想されます。日経平均は節目の17,000円を割り込みそうで、こうしたなか週足の一目均衡表の雲の下限がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)