市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均53円安と小幅に続落し1万7000円割れ 今夜はECB政策理事会に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は53円安の1万6958円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくいなか、ドル円が101円台の円高水準で推移したことから日経平均は28円安の1万6984円と1万7000円の節目を割り込んで小幅安で寄り付きました。本日の日経平均は1日を通してプラス圏に浮上することはありませんでした。前場の日経平均は大きな材料がないなか小動きとなり高値と安値の値幅は45円あまりと非常に狭くなりました。前場を41円安で終えた日経平均は後場寄りからやや下げ幅を拡大すると、中曽日銀副総裁が講演で「マイナス金利の深掘りを否定しない」といった発言を行ったことから保険株や銀行株を中心に売りが膨らみ、日経平均は一時175円安まで売られました。引けにかけて値を戻した日経平均ですが戻しきれず、結局53円安の1万6958円と小幅に続落して4日ぶりに1万7000円の節目を割り込みました。東証33業種は任天堂(7974)が上昇を牽引したその他製品や海運業など12業種が上昇した一方で、保険業や鉄鋼、サービス業など21業種が下げています。東証1部の売買代金は2兆1925億円と昨日に続いて活況の目安とされる2兆円を上回りました。

2.個別銘柄等
米アップル(AAPL)の新製品発表会で「スーパーマリオ」の新しいゲームがiPhone向けに配信されると発表されたことを受け、任天堂が東証1部の売買代金トップの商いを集めて13.2%高と急伸しました。同新ゲームの開発に協力するディー・エヌ・エー(2432)も売買代金2位の商いを集めて一時ストップ高となり、終値でも10%超の大幅高となりました。その他の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が目立ちました。メガバンク3行が揃って1%前後の下落となったほか、ソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)なども下落しています。その他材料が出たところでは、米投資会社カーライルグループによる株式公開買い付け(TOB)の実施を発表したFXサービス等を手がけるマネースクウェアホールディングス(8728)が買収価格にさや寄せする格好でストップ高となりました。また、アップルの新型iPhone発表を受け関連銘柄としてフォスター電機(6794)が6%近い大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
任天堂関連など一部銘柄は活況となりましたが、市場全体を見渡すと冴えない値動きの1日となりました。今夜は欧州中央銀行(ECB)の政策決定理事会が開催されます。金融政策に大きな変更はないと予想されていますが、ドラギECB総裁は「ドラギ・マジック」などと呼ばれるサプライズでの政策変更を行うことも知られており注意が必要でしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅続伸もほぼ横ばい 香港市場は小幅反発

上海総合指数:3,095.95(+4.03)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,846.26(+104.45)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に5日続伸となりました。1日を通して昨日の終値を挟んで揉み合い方向感に乏しい展開となった上海総合指数は、後場に節目の3,100ポイントを試す場面もみられましたが、3,100ポイントを前に上値を押さえられると結局ほぼ横ばいで取引を終えています。なお、中国の8月の貿易統計は輸出入とも市場予想を上回りましたが、相場への影響は限定的でした。

<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反発しています。売りが先行し一時0.3%安まで売られたハンセン指数ですが、中国の8月の貿易統計が市場予想を上回ったことが好感されまもなくプラスに転じると上げ幅を徐々に広げ、年初来高値を更新する展開となっています。日本時間16時時点で不動産株指数をはじめ、商工業株指数、金融株指数、公益事業株指数が揃って上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、米アップルの新モデル発表を受けて音響部品のAACテクノロジー (瑞声科技・02018)が2%超上昇しています。ジカ熱の流行しているシンガポールへの渡航警告を中国当局が発表したことでジカ熱への警戒が高まりシノパーム (国薬・01099)やスーファンファーマシューティカル (四環医薬・00460)などの医薬品株も上げています。さらに中国の保険当局が打ち出した生保リスク管理規制の強化が保険会社の長期的な収益改善につながるとの見方から保険のチャイナライフインシュアランス(中国人寿保険・02628)やピンアンインシュアランス (平安保険・02318)も揃って買われました。

一方で不動産のチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)が2%近く下げ、ハンセン指数構成銘柄で下落率トップとなっています。また、アップルと競合するレノボグループ (聯想集団・00992)が1%近く下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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