マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は6円高とほぼ横ばい 来週は海外の経済指標に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は6円高の1万6965円と小幅に反発したもののほぼ横ばいでした。TOPIXやJPX日経400は小幅に下落したものの、新興市場のマザーズ指数は上昇と主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場でダウ平均は46ドル安と下落しましたが米長期金利が上昇し円安ドル高が進んだことを受け日経平均は35円高の1万6994円と反発して寄り付きました。日経平均はまもなく1万7000円の節目を回復すると上げ幅を70円余りまで広げる場面がありましたが、そこが1日の高値となりその後は上げ幅を縮小しました。9時半過ぎにマイナスに転じた日経平均は、10時過ぎに56円安と本日の安値をつけました。前場を32円安で終えた日経平均は、お昼休みの時間帯に黒田日銀総裁が安倍総理大臣と会談すると報じられたことが材料視されやや円安が進むと後場寄りからプラスに転じました。再び1万7000円の節目を上回る場面もあった日経平均ですが上値を追う力強さはなく、その後は非常に狭い値幅でのもみ合いとなりました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均は6円高とほぼ横ばいで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1662億円と昨日に続いて2兆円の節目を上回りました。東証33業種は海運業や鉱業、空運業など20業種が上昇した一方で食料品や水産・農林業などのディフェンシブセクターを中心とした13業種が下げています。
2.個別銘柄等
昨日大幅に上昇した任天堂(7974)は本日も東証1部の売買代金トップの商いを集めましたが1.2%安と反落しました。同じく昨日急騰したディー・エヌ・エー(2432)も3.2%安と反落しています。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちといった格好でした。トヨタ自動車(7203)やファーストリテイリング(9983)、KDDI(9433)、三井住友(8316)などが下げた一方でソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、みずほ(8411)などは上昇しています。材料が出たところでは、待機児童の解消に向けて保育所の規制緩和が進められるとの報道を受け保育所運営のJPホールディングス(2749)が6%近い大幅高となりました。同じく保育所運営などを行うサクセスホールディングス(6065)も3.7%高としっかりでした。一方でアミューズメント施設を運営するラウンドワン(4680)は、8月の既存店売上高が前年同月比4.6%減と冴えなかったことで6%安と大きく売られました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日も材料難のなか方向感に欠ける展開となりました。来週は英中央銀行の政策委員会、中国や米国の小売売上高などが主要な材料になるとみられます。ただ、連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を翌週に控えていることから様子見地合いが強まる可能性もありそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅反落 香港市場は大幅続伸 ハンセン指数が節目の24,000ポイントを回復
上海総合指数:3,078.86(-17.10)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):24,219.13(+299.79)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は6日ぶりに小幅に反落しました。中国保険当局が保険資金に対して上海市場と香港市場の株式相互取引「滬港通(上海・香港ストックコネクト)」を利用しての投資を認めると発表したことを受けて、前場に一時節目の3,100ポイントを回復する場面がみられた上海総合指数ですが、前日まで5営業日続伸しただけに利益確定売りが出やすいなか上値が抑えられるとその後は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。引け間際に売りがやや優勢となり、結局上海総合指数は約0.6%安で取引を終えています。なお、寄り付き直後に発表された8月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.3%増と市場予想に届かなかったものの、相場への影響は限定的でした。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅に続伸しています。上述の保険マネーに対する規制緩和を受けて今後は毎年300億元が香港株式市場に流入するとの観測が広がり、ハンセン指数は上昇して寄り付くとしばらくして節目の24,000ポイントを回復しました。上げ幅をさらに広げたハンセン指数は、後場に一時1.9%高近くまで買われるとその後も堅調な推移となっています。日本時間16時時点で不動産株指数と金融株指数が1%超上昇しているほか、商工業株指数及び公益事業株指数も上げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、上述の中国保険当局による保険マネーの規制緩和が好感され、チャイナライフインシュアランス(中国人寿保険・02628)やピンアンインシュアランス (平安保険・02318)などの本土保険株が大幅に続伸しています。また、保険マネーの流入期待からホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)も5%超上げているほか、中国証券最大手のチュウシンショウケン(中信証券・06030)も4%近く買われています。さらに、マカオ当局が今後の開発計画を発表したことが材料視されカジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)もそろって堅調推移となっています。
一方で、前日に上昇していたインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)が利益確定売りから小幅に反落しているほか、リスクオンムードが強まるなかディフェンシブ銘柄とされる食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)やティンイー (康師傅・00322)も売られています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)