マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は金利上昇を嫌気して大幅下落 ダウ平均は400ドル近い下げ 日本市場は米国株安で下落か
NYダウ: 18085.45 ▼394.46 (9/9)
NASDAQ: 5125.91 ▼133.58 (9/9)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は、ハト派とみられていたボストン連銀総裁が利上げに前向きな発言を行うなど、最近の日米欧の中央銀行幹部の発言を受けて各国の長期金利が上昇したとことを嫌気して大幅続落となりました。下落して始まったダウ平均は一日を通して下げ幅を広げると394ドル安の18,085ドルと3日続落となり安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も133ポイント安の5,125ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
7月の米卸売在庫は前月比横ばいとなり市場予想と一致しました。また、7月の米卸売売上高は前月比0.4%減となり増加を見込んでいた市場予想に反して減少しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。なかでも不動産が4%近く下落したほか、公益事業と電気通信サービスが3%を超える下落となり、素材、資本財・サービス、エネルギー、生活必需品も3%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。ベライゾン・コミュニケーション(VZ)とキャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)、コカコーラ(KO)が3%を超える下落となり、ゼネラル・エレクトリック(GE)とユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も約3%の下げとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では全世界で430万台をリコールすると伝わったゼネラル・モーターズ(GM)が大幅安となっています。一方で決算が市場予想を上回った家具のレストレーション・ハードウエア(RH)や、決算が市場予想ほど悪化しなかったスポーツ用品のズーミーズ(ZUMZ)が大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利はボストン連銀総裁が利上げに前向きな姿勢を示したことなどで0.07%高い1.67%となりました。こうしたなかドル円はやや円安に振れ102円台半ばでの推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が大幅安となったことから本日の日本市場は下落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が日銀によるETF買いや、それに対する期待などで売り一巡後に下げ渋り25日移動平均線(先週末時点で16,737円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)