市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均56円高と小幅に反発もTOPIXは小幅続落とまちまち 円高が重石となり反発力は弱い

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は56円高の1万6729円と小幅に反発しました。JPX日経400も0.3ポイント高と上昇した一方でTOPIXは0.1ポイント安と主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場でブレイナードFRB理事が金融緩和の解除は慎重に進めるべきだとの認識を示したことから早期利上げ観測が後退し、ダウ平均は239ドル高と大きく反発した一方で米ドル円は101円台後半まで円高に振れました。米株高と円高という強弱材料まちまちのなか、日経平均は91円高と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に110円高余りまで上げ幅を広げましたが円高進行が重石となりそれ以上上値を追う強さはなく、徐々に上げ幅を縮めました。11時過ぎにわずかにマイナスに転じる場面もあった日経平均は結局前場を2円高とほぼ横ばいで終えました。後場寄りからやや上げ幅を広げた日経平均ですが13時過ぎに再びマイナスに転じるとまもなく14円安の1万6658円と本日の安値をつけました。その後はやや買いが優勢となり徐々に上げ幅を広げた日経平均は56円高と小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆6666億円と昨日に続いて活況の目安とされる2兆円に達しませんでした。東証33業種は医薬品やゴム製品、食料品など20業種が上昇しました。一方で唯一2%を超える下落となった保険業など13業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った任天堂(7974)から5位の三菱UFJ(8306)まですべて下落しました。任天堂は利益確定売りに押される展開が続いており4%安で3日続落となっています。一方でトヨタ自動車(7203)が0.3%高と小幅に上昇したほか、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)などが上昇しました。ファーストリテイリングは1銘柄で日経平均を10円超押し上げています。その他材料が出たところでは、工事用資材のネット販売などに強みがあるMonotaRO(3064)が6.6%の大幅上昇となりました。昨日発表した8月の月次売上高が前年同月比24.2%増と、7月から売上の伸びが加速したことが好感されました。また、国内大手証券が強気の投資判断でカバレッジを開始した亀田製菓(2220)も5.7%高と大きく上昇しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は反発した一方でTOPIXは小幅安とまちまちでした。101円台まで円高が進行していることから反発力は弱く、日経平均は昨日割り込んだ25日移動平均線(1万6757円)を終値で回復することができませんでした。来週に連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えて引き続き為替を睨みながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅反発もほぼ横ばい 香港市場は反発

上海総合指数:3,023.51(+1.53)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,395.12(+104.52)


1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発したもののほぼ横ばいでした。買いが先行した上海総合指数ですが、15日から18日までの中秋節の連休を控えているなか積極的な買いが出にくく、しばらくしてマイナス圏に沈むと小幅安での推移となりました。引けにかけて持ち直し、結局上海総合指数は約0.1%高とほぼ横ばいで取引を終えています。なお、中国の8月の鉱工業生産や小売売上高、固定資産投資が軒並み市場予想を上回る改善をみせましたが、相場への影響は限定的でした。

<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反発しています。ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が講演でハト派姿勢を示したことを受けて米国の早期利上げ観測の後退による安心感が広がり、大幅に上昇して寄り付いたハンセン指数はしばらくして1.6%高まで買われる場面がありました。その後は本土市場の伸び悩みが嫌気され、上値が重く一時23,500ポイントの近辺で揉み合う展開となると、日本時間15時以降上げ幅をさらに縮めています。日本時間16時時点で商工業株指数と金融株指数が上昇している一方で、不動産株指数と公益事業株指数がわずかに下げています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場は、早期の米利上げ観測の後退が好感され、前日に大きく下落していたニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)やサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)などの香港系の不動産株が揃って買い戻されています。また、中国の中秋節の連休を控えて香港では中国人観光客の増加が見込まれるなか、化粧品販売大手のササインター (00178)が堅調推移となっています。さらに、8月の小売売上高が市場予想を上回ったことが好感され、食品のティンイー (康師傅・00322)やワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が大きく買われています。

一方で、キャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)が1%余り下げているほか、中国不動産最大手のチャイナバンカ (万科企業・02202)も軟調に推移しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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