マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均114円安と反落 日銀がマイナス金利や長短金利差の拡大を検討との報道を受け保険株や不動産株の一角が買われる
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は114円安の1万6614円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で原油価格の下落などが嫌気されてダウ平均が250ドル超下落した一方で、ドル円は102円台半ばまで円安に振れました。米国株安と円安という強弱材料が入り混じるなか、日経平均は96円安の1万6632円と反落して寄り付きました。日経平均はまもなく120円安近くまで下げ幅を広げて前場の安値をつけました。その後ドル円が一時103円台をつけるなど円安に振れたことから日経平均は徐々に下げ幅を縮めると、11時前には下げ幅が20円余りとなる時間帯もありました。前場を39円安で終えた日経平均は後場に入るとしばらくは狭い値幅でのもみ合いとなりましたが、14時半頃から一段安となりました。引けにかけても下げ幅を広げた日経平均は、結局本日の安値圏での大引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆7672億円と2兆円を下回り連日で薄商いとなっています。東証33業種は、日銀がマイナス金利の拡大を軸に、長期と短期の金利差を拡大するよう促す追加金融緩和策を検討していると報じられたことから保険業や不動産業などそれらの政策が業績の追い風になりやすいとみられる業種が買われました。一方で海運業や石油石炭製品、鉱業、銀行業など30業種は下落しました。
2.個別銘柄等
マイナス金利政策の拡大が検討されているとの報道を受け、収益悪化につながるとの懸念から三菱UFJ(8306)が3%を超える大幅安となりました。また、三井住友(8316)やみずほ(8411)もそれぞれ約1%下げています。一方で第一生命(8750)が4%超、T&Dホールディングス(8795)が7%超の上昇となるなど保険各社の上昇が目立ちました。新型iPhoneの予約が好調と報じられ昨日米アップル(AAPL)の株価が上昇したことを受け、アップル関連株の一角が買われました。ジャパンディスプレイ(6740)が4.7%高となったほか、アルプス電気(6770)も4%高となりました。また、イビデン(4062)、フォスター電機(6794)、太陽誘電(6976)などもしっかりでした。その他材料が出たところではドラッグストアを展開するツルハホールディングス(3391)が7%近い大幅安となりました。昨日の大引け後に発表した決算が市場予想を下回ったことが嫌気されました。一方、健康機器メーカーのヤーマン(6630)が11%近い大幅上昇となりました。第1四半期の営業利益が前年同期比122%の大幅増益となったことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
来週に重要イベントを控え薄商いが続くなか日経平均は反落しました。日経平均は本日まで5日続けて陰線(始値よりも終値が安い)となっています。このところ米国で早期利上げの思惑が強まると米国株安と円安ドル高、思惑が後退すると米国株高と円高ドル安と日本株にとって強弱材料が入り混じる展開となっています。来週の重要イベントに加えて日本は今週3連休の週末を控えているということもあり、明日以降も薄商いが続く可能性が高そうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は反落 香港市場は小幅反発もほぼ横ばい
上海総合指数:3,002.85(-20.66)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,248.62(+32.86)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落となりました。明日からの中秋節連休を控えているなか下落して寄り付いた上海総合指数は、しばらくして0.8%安まで売られ節目の3,000ポイントを割り込みました。その後持ち直す場面がみられたものの、薄商いのなか下げ幅をじわじわと広げると後場に1%安近くまで売られました。引け間際にやや買い戻され節目の3,000ポイントを回復したものの、上海総合指数は結局0.7%近く下落して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反発したもののほぼ横ばいとなっています。指数が昨日までの2日間で3.6%下落した反動から買いが先行し一時0.7%高近くまで買われたハンセン指数ですが、世界的な金利上昇や原油価格の下落、本土市場の弱含みなどが重石となり、上げ幅を徐々に縮めるとその後は昨日の終値の近辺で揉み合う展開が続いています。日本時間16時時点で公益事業株指数と金融株指数が上昇している一方、商工業株指数及び不動産株指数がわずかに下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場は、カジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)傘下のカジノリゾート「パリジャン・マカオ」が13日に開業したことが好感され、サンズチャイナが1%を上回る上昇となっているほか、同業のギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)も連れ高となり約3%値上がりしています。また、金利上昇による利ざや拡大への期待から香港地場銀行最大手のバンクイーストアジア (東亜銀行・00023)や銀行のBOCホンコン (中銀香港・02388)などが揃って1%超上昇しています。
一方で、中国複合企業最大手のシティック (中信股フェン・00267)が約1%下落し、ハンセン指数構成銘柄で下落率トップとなっています。また、原油安を受けてシノック(中国海洋石油・00883)やクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)などのエネルギー株が軟調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)