市況概況 - まとめ -

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は209円安の1万6405円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場は主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくいなか、ドル円が102円台半ばまで円高が進んだことを受け日経平均は101円安の1万6512円で寄り付きました。本日の日経平均は寄り付き近辺が1日の高値となるとその後は徐々に下げ幅を広げました。日経平均はまもなく1万6500円の節目を割り込むとドル円が一時101円台まで円高に振れたこともあり、その後もほぼ一本調子で下げ幅を拡大し11時過ぎに254円安と1日の安値をつけました。前場を199円安で終えた日経平均は後場に入ると安値圏でのもみ合いとなりました。その後は大きな値動きは出ず結局日経平均は209円安と大きく続落して取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆8744億円と4日連続で2兆円を下回りました。東証33業種はその他製品とパルプ・紙の2業種のみ上昇し残る31業種は下落しました。中でも不動産業が3％近く売られたほか、証券商品先物や輸送用機器など景気敏感セクターを中心に下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等
引き続きiPhone7の予約が好調に推移しているとの報道を受け関連銘柄の一角が堅調でした。iPhone向けにゲームアプリの配信が決定している任天堂（7974）が4.5％高となったほか、アルプス電気（6770）も3.4％高となっています。村田製作所（6981）も1％近く上昇しました。また、三菱商事（8058）がローソン（2651）の保有比率を50％以上にして子会社化を目指すと報じられたことを受け、ローソンは7％超の大幅高となりました。コンビニ業界再編の思惑からミニストップ（9946）も6.5％高と大きく上昇しました。一方で北海道電力（9509）が6％超の大幅安となりました。外資系証券が投資判断と目標株価を引き下げたことが嫌気されました。関西電力（9503）や九州電力（9508）、四国電力（9507）もそれぞれ大きく下落しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大幅続落となり、1万6500円の節目を割り込みました。報道されている日銀の追加金融緩和政策の内容では物足りないとの思惑が意識されているのかもしれません。今夜の米国市場では8月の小売売上高が発表されます。イエレンFRB議長は8月下旬の講演で米経済は個人消費が牽引して堅調に推移するとの認識を示しました。個人消費動向を示す代表的な指標である小売売上高が低調に終わることがあれば、来週の連邦公開市場委員会（FOMC）で利上げが実施されない可能性が高まり一段の円高ドル安が進行する可能性がありそうです。一方で小売売上高が堅調であれば改めて早期利上げが意識され円安方向への値動きが予想されます。

（マネックス証券　フィナンシャル・インテリジェンス部　益嶋 裕）

中国株式市場

上海市場は休場　香港市場は反発

上海総合指数：中秋節につき休場
香港のハンセン指数（日本時間16時時点）：23,303.89（+113.25）

1.概況
＜中国本土市場＞
上海市場は中秋節のため休場でした。

＜香港市場＞
ハンセン指数は4日ぶりに反発となっています。昨日発表された中国の新規融資額やマネーサプライM2などが市場予想を上回ったことが好感され上昇して寄り付いたハンセン指数は、3連休を控えてポジション調整の売りが出て一時昨日の終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありましたが、持ち直すと堅調に推移しています。日本時間16時時点で金融株指数と益事業株指数、不動産株指数が上げ、なかでも金融株指数は1％近く上昇しています。一方で商工業株指数がわずかに下げています。

2.個別銘柄動向等（香港マーケット、日本時間16時時点まで）
香港市場では、中国の大型連休を控えカジノのサンズチャイナ（金沙中国・01928）やギャラクシー・エンターテインメント（銀河娯楽・00027）が大幅に上昇しています。また、2016年1－8月の保険料収入が大きく伸びた保険大手のピンアンインシュアランス (平安保険・02318）や、iPhone7の販売が好調と伝わるなかアップル（AAPL）に音響部品を供給するAACテクノロジー (瑞声科技・02018)も買われています。

一方で8月の石炭販売が大きく減ったコールエネルギー (中煤能源・01898)が軟調で、原油安を受けてシノペック (中国石油化工・00386)やシノック(中国海洋石油・00883）などのエネルギー株も売られています。

（マネックス証券　フィナンシャル・インテリジェンス部　林 宇川）