マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は冴えない経済指標で利上げ観測が後退し上昇 日本市場は米国株高で反発か
NYダウ: 18212.48 △177.71 (9/15)
NASDAQ: 5249.69 △75.92 (9/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小売売上高などの冴えない経済指標を受けて9月の利上げ観測が後退し大幅上昇となりました。朝方に下落する場面もあったダウ平均ですが、大きく下げることなく底堅さをみせると、その後は一日を通して上げ幅を広げる展開となり、取引終盤には215ドル高まで買われました。結局ダウ平均は177ドル高の18,212ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も75ポイント高の5,249ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
8月の米小売売上高は前月比0.3%減と5カ月ぶりに減少し市場予測を下回りました。8月の米卸売物価指数(PPI)も前月比で横ばいとなり、上昇を見込んでいた市場予想を下回っています。また、8月の米鉱工業生産も前月比0.4%低下し市場予想を下回り、米設備稼働率も前月比0.4ポイント低下の75.5%となり市場予想を下回っています。さらに7月の米企業在庫は前月比横ばいとなり、増加を見込んでいた市場予想を下回っています。米企業売上高は前月比0.2%減となりました。9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス1.99となり市場予想を下回りましたが、一方で9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は12.8と前月から上昇し市場予想を上回っています。先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1千人増の26万人となったものの、市場予想ほどは悪化しませんでした。4-6月期の米経常収支は1198億8500万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術とヘルスケア、エネルギー、電気通信サービスが1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。なかでもアップル(AAPL)が前日に続いて3%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、インテル(INTC)も2%以上の上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、増配を発表したグッドイヤー(GT)が大幅高となり、開発中の鎮痛剤について最終段階の臨床試験で有効な結果が得られたと発表した製薬のアセラクス・ファーマシューティカルズ(ACRX)が急伸しています。一方で不正な営業行為の発覚に伴い目標株価の引き下げが相次いだ米銀大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が軟調でした。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの1.69%となりました。ドル円は101円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日に割り込んだ節目の16,500円を引けで回復し、7日ぶりに陽線を引くような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)