マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はFOMCの結果を好感し続伸 ナスダック総合株価指数は史上最高値を更新 日本市場は米国株高で続伸か
NYダウ: 18392.46 △98.76 (9/22)
NASDAQ: 5339.52 △44.34 (9/22)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
21日の米国市場は、米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送ったうえ、政策金利見通しが引き下げられたことなどから今後の利上げペースが緩やかになるとの見方も強まり続伸となりました。ダウ平均はFOMCの結果発表後に上げ幅を広げると163ドル高の18,293ドルと高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も53ポイント高の5,295ポイントとなり、9月7日以来2週間ぶりに史上最高値を更新しています。
昨日の米国市場はFOMCの結果が引き続き好感され3日続伸となりました。上昇して始まったダウ平均は取引開始後しばらくして150ドル以上上昇すると、その後も堅調に推移し結局98ドル高の18,392ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も44ポイント高の5,339ポイントとなり、前日に続いて史上最高値を更新 しています。
2.経済指標等
20日から21日に開催されたFOMCでFRBは利上げを見送り、FOMC参加者の政策金利見通しも引き下げられました。2016年末時点の見通しは前回の0.875%から年内1回の利上げを想定する0.625%へと引き下げられ、イエレンFRB議長も会見で多くのメンバーが年内1回の利上げが適切と考えていると述べています。また、2017年末時点の見通しも1.625%から.1.125%へと引き下げられ、2017年に想定される利上げ回数は前回の3回から2回へと減っています。
昨日発表された8月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比0.9%減の533万戸と2カ月連続で減少し市場予想を下回りました。8月の米景気先行指標総合指数も前月比0.2%低下し市場予想を下回っています。先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比8千件減の25万2千件となり増加を見込んでいた市場予想を下回って改善しました。
3.業種別動向
21日の米国市場で業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。なかでもエネルギーと公益事業が2%を超える上昇となっています。
昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。なかでも不動産が2%近く上昇したほか、電気通信サービスが1%を超える上昇となり、生活必需品も1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
21日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)が2%を超える上昇となったほか、シェブロン(CVX)も2%近く上げています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)とウォルト・ディズニー(DIS)、アップル(AAPL)の3銘柄が下げています。
昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄はファイザー(PFE)とデュポン(DD)を除く28銘柄が上げ、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とウォルト・ディズニー(DIS)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、コカコーラ(KO)、ボーイング(BA)が1%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外では同業大手のレナー(LEN)に総額6億4300万ドルで身売りすると発表した住宅建設のWCIコミュニティーズ(WCIC)が買収価格にさや寄せする格好で急騰しています。また、減益ながら1株利益が市場予想を上回ったドラッグストア大手のライトエイド(RAD)が堅調となっています。
5.為替・金利等
21日の長期金利はFRBがFOMCで利上げを見送ったことに加え、政策金利見通しが引き下げられたことなどから0.04%低い1.65%となりました。昨日の長期金利も0.03%低い1.62%となっています。
ドル円は21日の日銀の金融政策決定会合の結果を受けて102円台後半まで一旦円安が進みましたが、その後マイナス金利の深堀がなかったことや、黒田日銀総裁の国債買い入れ額が将来的に減少する可能性があることを示唆したこと、さらにFRBがFOMCで利上げを見送ったことなどもあって100円台前半まで円高に振れました。朝方は100円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が2日間で260ドル以上上昇し、ナスダック総合株価指数も連日で史上最高値を更新していることから本日の市場は続伸でのスタートが予想されます。ドル円が円高となるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうで、200日移動平均線(21日時点で16,869円)を引けで回復できるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)