マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は円高となるなか利益確定の売りに押され小幅反落
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場は利益確定の売りに押され小幅反落となりました。日経平均はドル円が100円台後半まで円高となっていたこともあって47円安の16,759円で寄り付くとしばらくして80円安余りまで売られましたが、三桁の下げとなることもなく底堅さをみせるとドル円が101円台を付け円高一服となったこともあって下げ幅を縮めました。11時過ぎに僅かにプラスとなる場面もあった日経平均ですが、上値は重くその後も小幅安で推移すると結局53円安の16,754円で引けています。指数が小動きだったにも関わらず東証1部の売買代金は2兆円を上回り2兆2327億円となっています。また、新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が続伸となっています。
2.個別銘柄等
休場前の21日に日銀の金融政策決定会合で長短金利操作付き量的・質的金融緩和が導入されたことを受けて大きく買われた銀行株は利益確定の売りに押される展開となりました。メガバンク3行が2%弱の下落となったほか、地銀株も下げるものが目立ちました。また、円高を嫌気して自動車株も安くトヨタ(7203)やマツダ(7261)が3%を超える下げとなり、21日の上昇分をほぼ吐き出す格好となっています。一方で天候や曜日並びの影響で販売が低迷する小売企業が目立つなか9月(8月21日-9月20日)の既存店売上高の落ち込みが小幅に止まったニトリホールディングス(9843)が3%以上上昇しました。西松屋チェーン(7545)は9月の既存店売上高が二桁減と大きく落ち込み5%以上下げる場面もありましたが、不振の原因が天候や曜日並びの影響との見方から見直し買いが入りプラスに転じて取引を終えています。さらに投資判断の引き上げを受けてライオン(4912)が、そして投資判断と目標株価の引き上げを好感して鳥貴族(3193)が大幅高となっています。新興市場ではバイオ関連に物色が向かいました。シニアアドバイザーで崇城大学の前田浩特任教授がノーベル賞の候補者と伝わったシンバイオ製薬(4582)が急騰しストップ高となったほか、再生細胞薬の国内治験を開始したと発表したサンバイオ(4592)が大幅高となり、ナノキャリア(4571)やDNAチップ(2397)、ペプチドリーム(4587)なども大きく上げています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は、米国市場でダウ平均が2日間で260ドル以上上昇、ナスダック総合株価指数も連日で史上最高値を更新といった好材料と、ドル円が100円台後半から101円台前半での推移となった円高といったマイナス材料の綱引きとなるなか結局小幅に下落しました。日経平均は200日移動平均線(16,854円)が直ぐ上に控えているだけに、本日のように強弱材料が入り混じる格好になると上値が重くなりやすいといえます。来週は中間期末を迎えますが、そうしたなかで日経平均が200日移動平均線を前に引き続き足踏みとなるのか、それとも200日移動平均線を抜けてくるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場は小幅反落 香港市場はほぼ横ばい
上海総合指数:3,033.90(-8.42)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,765.13(+5.33)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は3日ぶりに反落となりました。政府主導のインフラ事業に民間投資を引き入れる構想である官民パートナーシップ(PPP)の具体的な投資計画が早ければ国慶節(10月1日)前後に発表されるとの期待から買いが先行した上海総合指数ですが、週末ということもあって買いが続かずマイナスに転じるとその後は軟調な展開となりました。結局、上海総合指数は0.3%近く下げて取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数はほぼ横ばいとなっています。昨日の欧米株高と原油価格の上昇を受けて上昇して寄り付いたハンセン指数ですが、日米の金融イベントを通過したことで材料出尽くしとなったことや、週末ということもあって上値が伸び悩むと一日を通して昨日終値を挟んで揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数と不動産株指数、公益事業株指数が上昇する一方で、金融株指数が下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、米FOMCでの利上げ見送りを背景にインダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク(中国工商銀行・01398)やエイチエスビーシー (HSBC・00005)など一部の金融関連株が売られています。また、中国当局が国内石炭の価格高騰を抑制する方針と伝わり石炭大手のシェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)も下げています。
一方で外資系証券の強気の投資判断を好感し中国通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)が5%近く上昇しています。また、米国の利上げペースが緩やかになるとの見方からニューワールド・デベロップメント(新世界発展・00017)やサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)などの香港系の不動産株が堅調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)