マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はドイツ銀行の信用不安再燃を受けて大幅下落 日本市場は米国株安と円高で続落か
NYダウ: 18094.83 ▼166.62 (9/26)
NASDAQ: 5257.49 ▼48.26 (9/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、大統領選候補者の第1回のテレビ討論会を控え様子見となりやすいなかで米司法省から巨額の和解金支払いを求められているドイツ銀行の信用不安再燃を受けて金融株に売りが広がり大幅続落となりました。取引開始直後から大きく下落したダウ平均は1日を通して安値圏で軟調に推移すると166ドル安の18,094ドルと大きく下落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント安の5,257ポイントとなっています。
2.経済指標等
8月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比7.6%減の60万9千戸と3カ月ぶりに減少したものの、市場予想は上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が下げました。そのなかでも金融とヘルスケア、一般消費財・サービスが1%を超える下落となったほか、生活必需品も1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
信用不安再燃を受けてドイツ銀行が7%余りの大幅下落となったことから米国市場でも金融株が売られ、ゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)などが軒並み2%を超える下落となりました。そのほか検討していた分社化の見送りを発表した製薬のファイザー(PFE)や、決算で1株当たり損失が市場予想以上に膨らんだ山岳リゾート運営のベイル・リゾーツ(MTN)が下げています。一方でドイツの同業ランクセスに身売りすることで合意したと発表した化学メーカーのケムチュラ(CHMT)が急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は株安を受けて安全資産の米国債が買われ0.04%低い1.58%となりました。こうしたなかドル円では円高が進み100円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。日経平均は節目の16,500円を割り込みそうで、下げ幅を広げる展開となった場合には75日移動平均線(昨日時点で16,357円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。こうしたなか本日は日本時間の10時からクリントン氏とトランプ氏の両大統領候補によるテレビ討論会が予定されており、その成り行きが注目されます。また、本日は9月末権利確定銘柄の権利付き最終売買日となります。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)