マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均218円安と大幅反落も配当落ち除けば約100円安
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は218円安の1万6465円と大幅に反落しました。ただ、本日は9月末権利確定銘柄の権利落ち日であり、配当落ち分が115円程度あるとみられることから、実質的には約100円安といったところです。昨日の米国市場でダウ平均は上昇したものの、ドル円が100円台前半まで円高に振れるなど強弱材料まちまちのなか日経平均は178円安で寄り付きました。寄り付き後しばらくは寄り付き近くの水準で推移した日経平均ですが、買い材料に乏しいなか10時過ぎから下げ幅を拡大すると10時半過ぎに298円安と本日の安値をつけました。日経平均は後場に入ると徐々に下げ幅を縮め、安値からは80円ほど値を戻して大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆8211億円と2兆円を下回りました。東証33業種は水産・農林業、ゴム製品、食料品の3業種のみ上昇しました。証券商品先物、保険業、銀行業の金融3業種は揃って3%を超えるきつい下げとなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った任天堂(7974)こそ小幅に続伸したものの、その他の売買代金上位銘柄は大きく下落した銘柄が目立ちました。トヨタ自動車(7203)が2.4%安となったほか、メガバンク3行は3~4%台の下落、ソフトバンクグループ(9984)も2%安となりました。一方、本日の11時30分に中間期の業績予想を上方修正した東芝(6502)は4.9%高と大幅に続伸しました。材料が出たところでは、サイバーエージェント(4751)が2%近く上昇しました。外資系証券が投資判断を引き上げたことが好感されました。一方、ファンドによる買収合戦への思惑から連日ストップ高となっていたさが美(8201)は7.6%安と大幅反落となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は反落し1万6500円の節目を下回りました。ただ、配当落ち分を除けば実質的には100円安といったところで、後場からやや底堅さを見せたと判断することもできそうです。今夜の欧米市場ではイエレンFRB議長、またドラギECB総裁の発言が予定されています。それぞれ今後の金融政策についてどのような発言を行うか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場ともに小幅反落
上海総合指数:2,987.86(-10.31)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,506.35(-65.55)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅反落となりました。上昇して節目の3,000ポイントを回復して寄り付いた上海総合指数ですが、国慶節の大型連休を控えて積極的な買いが続かず、しばらくしてマイナスに転じると1日を通して小幅安で揉み合う展開となりました。結局、上海総合指数は0.3%安で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数も反落となっています。国慶節の大型連休に伴い明日から上海市場との相互取引が一時停止するため中国本土からの資金流入が細るとの見方や、ドイツ銀行の巨額和解金問題がくすぶるなかで金融株が売られたことが相場の重石となりました。ハンセン指数は前場に一時0.9%近くまで下落する場面もありましたが、その後やや持ち直しています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、なかでも金融株指数の下落が目立っています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、ドイツ銀行の巨額和解金問題を受けて金融株が全面安となっています。コンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの銀行株が下落しているほか、保険のピンアンインシュアランス (平安保険・02318)やチャイナライフインシュアランス(中国人寿保険・02628)などが売られています。
一方で大型連休を控えてカジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)が上昇しています。また、中国自動車のグレートウォールモーター (長城汽車・02333)とBAICモーター (北京汽車・01958)が2%を超える上昇となっています。エコカーに支給される補助金の不正取得が相次いだ影響で発表が遅れている2016年政府補助基準が10月にも公表されるとの報道が好感されました。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)