マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
OPECの減産合意を好感し日経平均228円高と大幅に反発
日本株式市場
【日本株式市場】
1.概況
本日の日経平均は228円高の1万6693円と大幅に反発し、昨日の下げ幅を埋める格好となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。石油輸出国機構(OPEC)が石油生産量の減産に向けて合意したと発表したことを好感して日経平均は買い先行となりました。日経平均は140円高の1万6606円で寄り付くと、100円台後半で推移していたドル円が101円台まで円安に振れたこともあり、徐々に上げ幅を広げ前場を233円高で終えました。日経平均は後場寄り後も堅調に推移すると14時過ぎから一段高となり、上げ幅を290円余りまで広げて本日の高値をつけました。引けにかけて利益確定売りに押されてやや上げ幅を縮めた日経平均ですが、228円高と昨日の下げ幅218円をすべて取り戻した格好となりました。東証33業種は28業種が上昇しました。中でも石油の減産合意を受け、鉱業や鉄鋼、石油石炭製品などの関連業種が高い上昇率となりました。東証1部の売買代金は1兆8789億円と2兆円には届きませんでした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は軒並み上昇しました。中でもソフトバンクグループ(9984)や東京電力ホールディングス(9501)、三菱商事(8058)などが高い上昇率となりました。石油の減産合意を受け石油資源開発(1662)が9%近く、国際帝石(1605)も6%近く上昇しました。また、JX(5020)や昭和シェル(5002)、出光興産(5019)といった石油元売りもそれぞれ2-3%の上昇と堅調でした。一方で原油高によるコスト上昇を懸念してかANAホールディングス(9202)、日本航空(9201)がそれぞれ軟調でした。その他材料が出たところでは、半導体用多結晶シリコン大手のトクヤマ(4043)が16%近い大幅高となりました。マレーシア事業から撤退すると発表したことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
ポジティブサプライズとなった石油の減産合意を受け、株式市場はリスクオンに傾きました。今夜の米国市場では4-6月期のGDP成長率の確報値が発表されます。市場予想では改定値の前期比年率1.1%成長から1.3%成長に上方修正されるとみられていますが、市場予想を大きく上回る上方修正となれば改めて年内利上げが意識される可能性もありそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
OPECの原産合意などを好感し上海総合指数は小幅反発、ハンセン指数は小幅続伸
上海総合指数:2,998.48(+10.63)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,647.22(+27.57)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は10ポイント高の2,998ポイントと小幅に反発しました。小幅に上昇して始まった上海総合指数は徐々に上げ幅を広げると一時は節目の3,000ポイントを回復する場面がありました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた上海総合指数は、3,000ポイントを小幅に割り込んで大引けをむかえました。
<香港市場>
日本時間16時時点でハンセン指数は27ポイント高の23,647ポイントと小幅に続伸しています。OPECの減産合意や米国株高を受け高く寄り付いたハンセン指数ですが、徐々に上げ幅を縮めると日本時間15時頃に一時マイナスに転じる場面がありました。その後は値を戻し、小幅高となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
減産合意による原油高を好感し、シノック(中国海洋石油・00883)が5%超上昇しているほか、シノペック(中国石油化工・00386)やシェンホアエネルギー(神華能源・01088)、ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)などのエネルギー関連株が軒並み大幅高となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)