マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はドイツ銀行の急落を受けて大幅安 日本市場は米国株安で反落か
NYダウ: 18143.45 ▼195.79 (9/29)
NASDAQ: 5269.15 ▼49.39 (9/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は一部ヘッジファンドが米司法省から巨額の和解金支払いを求められ信用不安が持ち上がっているドイツ銀行から資金やポジションを引き出したり解消したと米メディアが伝えたことから同銀行株が急落したことで3日ぶりに大幅反落となりました。朝方は小幅に上昇する場面もみられたダウ平均ですが、徐々に売りが優勢となるなかドイツ銀行のニュースが伝わると昼過ぎに一気に下げ幅を広げ一時は250ドル安近くまで売られました。その後やや持ち直したものの、結局ダウ平均は195ドル安の18,143ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント安の5,269ポイントとなっています。
2.経済指標等
4-6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比1.4%増となり改定値から0.3ポイント上方修正され市場予想を上回りました。また、先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比3千人増の25万4千人と2週間ぶりに増加したものの、市場予想ほどは悪化しませんでした。一方で8月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.4%低下の108.5となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもヘルスケアが2%近く下落したほか、金融と公益事業、不動産も1%を超える下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はキャタピラー(CAT)とベライゾン・コミュニケーション(VZ)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもゴールドマン・サックス(GS)とメルク(MRK)、ナイキ(NKE)が2%を超える下落となったほか、ファイザー(PFE)も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では不正営業問題を巡り経営幹部が2回目の議会証言に臨んだウェルズ・ファーゴ(WFC)が2%安となっています。一方で決算が最終黒字に転じた食品大手のコナグラ・フーズ(CAG)が大幅高となっています。通期の1株利益の見通しを引き上げたペプシコ(PEP)も小幅に上げています。
5.為替・金利等
長期金利は株安で安全資産の米国債が買われ0.01%低い1.56%となりました。ドル円は米GDPの上方修正を受けて一時101円台後半まで円安が進みましたが、米国株の下落を受けて円高に振れ朝方は101円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日の上昇分をどこまで吐き出す格好となるのか、そして節目の16,500円を引けで維持できるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)