マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均243円安と大幅に反落 来週はISM景況感指数や雇用統計に注目
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は243円安の1万6449円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。一部ヘッジファンドがドイツ銀行から資金の引き出しやポジションの解消などを行ったと報じられ、ドイツ銀行への信用不安が高まったことを受け昨日ダウ平均は195ドル安と大きく下落しました。また、昨日の大引け時点で101円台半ばだったドル円が101円台前半まで円高に振れたこともあり、日経平均は219円安の1万6474円と大幅に反落して寄り付きました。日経平均は9時半過ぎに285円安の1万6407円と本日の安値をつけるとその後はやや下げ幅を縮めました。前場を258円安で終えた日経平均は、昼休みの時間帯にドル円が一時101円台後半まで円安に振れたこともあって後場寄りから下げ幅を縮めました。1万6500円の節目に近づく時間帯もありましたが上値は重く、その後再び下げ幅を広げました。結局日経平均は243円安で取引を終え、昨日の上げ幅228円を全て吐き出した格好となりました。東証1部の売買代金は2兆461億円と2兆円を上回りました。東証33業種で値上がりしたのは石油石炭製品、不動産業、鉱業の3業種のみで残る30業種は下落しました。中でも電気・ガス業と海運業は3%近い下げとなっています。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は軒並み下落しました。トヨタ自動車(7203)と任天堂(7974)がともに2%安となったほか、東証1部の売買代金3位に入った楽天(4755)は4.3%の大幅安となっています。その他にもメガバンク3行やソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)がいずれも下落しました。材料が出たところでは、昨日発表した9月の月次売上高が好調だったオフィス用品配達等を手がけるアスクル(2678)が5.5%高と堅調でした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
ドイツ銀行を巡る不安が波及する格好で日経平均は大幅反落となりました。本日で9月の取引が終了しました。9月の日経平均は先月末から437円安と3ヶ月ぶりに反落しました。日経平均は9月上旬に1万7000円台を回復する場面がありましたが、金融政策決定会合で日銀が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を発表したものの、市場へのインパクト不足だったことなどもあって徐々に下落基調となりました。また、連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られドル安円高圧力が働いたことも重石となったとみられます。来週はISM景況感指数や雇用統計といった米国の重要経済指標が発表されます。特にISM景況感指数は製造業・非製造業ともに8月分が大幅に悪化し米国経済の先行きがやや懸念されているだけに、悪化に歯止めがかかるのか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海総合指数は小幅続伸 ハンセン指数は欧米株安受け大幅反落
上海総合指数::3,004,70(+6.22)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):23,353.05(-386.42)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は6ポイント高の3,004ポイントと小幅に続伸しました。小幅に下げて始まった上海総合指数ですがすぐにプラスに転じるとまもなく3,000ポイントを回復し、その後は一貫してプラス圏での推移となりました。結局上海総合指数は9月23日以来1週間ぶりに終値で3,000ポイントを回復して取引を終えました。
<香港市場>
日本時間16時時点でハンセン指数は386ポイント安の23,353ポイントと大幅に反落しています。ドイツ銀行の信用不安による米国株安を受け下げて始まったハンセン指数は、しばらくはマイナス圏でのもみ合いとなりました。午後に入って一段安になったハンセン指数はその後も軟調な推移が続いています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
ハンセン指数採用銘柄は全面安の商状です。中でも不動産のリソーシズランド (華潤置地・01109)やチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)といった不動産関連銘柄が大幅安となっています。一方でシノペック (中国石油化工・00386)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)といったエネルギー関連株は、比較的底堅く推移しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)