市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

先週末の米国市場はドイツ銀行の信用不安後退で上昇 日本市場は8時50分発表の日銀短観に注目

NYダウ: 18308.15  △164.70 (9/30)
NASDAQ: 5312.00  △42.85 (9/30)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は、過去の住宅ローン担保証券の不正販売でドイツ銀行が米司法省に支払う和解金が140億ドルから減額され約54億ドルで決着すると伝わりドイツ銀行の信用不安が後退したことから反発となりました。一日を通して上げ幅を広げる展開となり取引終盤に230ドル高近くまで買われたダウ平均は引けにかけてやや弱含んだものの、結局164ドル高の18,308ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も42ポイント高の5,312ポイントとなっています。

2.経済指標等
9月のミシガン大学米消費者態度指数確報値は91.2と速報値から1.4ポイント上方修正され市場予想を上回りました。また、9月の米シカゴ購買部協会景気指数も54.2と前月の51.5から改善し市場予想を上回っています。一方で8月の米個人消費支出(PCE)は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。食品とエネルギーを除くPCEコアデフレータは前年同月比1.7%上昇し市場予想と一致しています。8月の米個人所得も前月比0.2%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、金融、エネルギー、ヘルスケアが1%を超える上昇となったほか、生活必需品も1%近く上げています。一方で公益事業、不動産、電気通信サービスの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はベライゾン・コミュニケーション(VZ)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもウォルマート・ストアーズ(WMT)が2%近く上げ上昇率でトップとなったほか、ドイツ銀行の信用不安後退を受けてゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)も1%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では決算で1株利益が市場予想を上回ったコストコ・ホールセール(COST)が大幅高となり、強気の投資判断を好感してアマゾン・ドット・コム(AMZN)も堅調となり52週高値を付けています。一方で贈賄の疑いについて社内調査を始めたことが明らかとなったITサービスを手掛けるコグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(CTSH)が急落しました。

5.為替・金利等
長期金利は株高を受けて安全資産の米国債が売られ0.03%高い1.59%となりました。ドル円は101円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国株高を受けて本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が5日移動平均線(先週末時点で16,567円)や一目均衡表の雲の上限(16,562円)を抜けてくるような展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に9月調査の日銀短観が発表されます。小幅な改善が見込まれている大企業製造業DIに加えて、ドル円の想定レートや企業業績の見通しなどが前回からどのように変化しているのかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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