マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米株高と円安進行を受け日経平均は148円高と反発 今夜は米ISM製造業景況指数の発表に注目
- 概況
本日の日経平均は148円高の1万6598円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場は、ドイツ銀行の信用不安問題が後退したことが好感され、反発しました。また、ドル円が101円台前半まで円安に振れたことも好感され日経平均は116円高と反発して寄り付きました。なお、寄り付き前に発表された日銀短観は大企業製造業の景況感がプラス6と前回調査から横ばいで市場予想のプラス7はやや下回ったもののマーケットの反応は限定的でした。日経平均は寄り付き後も徐々に上げ幅を拡大し、10時過ぎに上げ幅を200円超まで広げて1日の高値をつけました。前引けを183円高で終えた日経平均ですが、後場に入ると徐々に上げ幅を縮めると結局148円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆6279億円と低水準でした。東証33業種は証券商品先物や精密機器など27業種が上昇した一方で鉱業や石油石炭製品など6業種が下げています。
- 個別銘柄動向等
売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。東証1部の売買代金トップの任天堂(7974)が0.6%安と小幅安で終えたほか、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)などが下落しました。一方、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、みずほ(8411)、キーエンス(6861)などが上昇しています。材料が出たところでは、先週末に業績予想を下方修正した川崎重工業(7012)が11%近い大幅安となりました。通期の営業利益予想を従来の700億円から340億円に大幅に下方修正したことが嫌気されました。また、減損損失の計上やそれに伴う業績予想の下方修正を発表したセブン&アイ・ホールディングス(3382)は、下落して始まったもののすぐにプラスに転じると一時3%超上昇する場面がありました。ただし引けにかけて上げ幅を縮めると結局1円安とほぼ横ばいで取引を終えています。一方、先週末の大引け後に中間決算を発表したカジュアル衣料のアダストリア(2685)は前年同期比1%の営業減益だったものの、想定以上に業績が底堅いと評価されたことや自社株買いを発表したことが好感され13.6%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
今週は月初とあって米国で重要経済指標が多く発表され、今夜は日本時間23時に9月分のISM製造業景況指数が発表されます。同指数は8月分が前月から大きく悪化し、景況感の好転と悪化の境目となる50を下回りました。市場予想では9月分は改善して50を上回るとみられていますが、改善幅が小幅だったりもし悪化したりすれば年内利上げ観測がさらに遠のくことになって円高ドル安圧力となる可能性があり注意が必要でしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場の市況概況は9月30日をもちまして終了とさせていただきました。今までご愛読いただきありがとうございました。