マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均米株高と円安進行を好感し164円高と反発 約1ヶ月ぶりに1万7000円を回復
1.概況
本日の日経平均は164円高の1万7024円と9月7日以来約1ヶ月ぶりに1万7000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。先週末および昨日の2日間でダウ平均がトータル60ドル以上上昇したこと、ドル円が103円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は76円高の1万6936円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げると10時過ぎに上げ幅を210円超とする場面がありました。前場を195円高で終えた日経平均は後場寄りから上げ幅を縮めると一時は1万7000円を割り込みましたが底堅く推移すると再びやや上げ幅を広げ、その後は小幅な値動きで1万7000円を保ったまま大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆8711億円と本日も2兆円には達しませんでした。東証33業種は23業種が上昇、10業種が下落しました。中でも原油価格の上昇を受け鉱業や石油石炭製品が高い上昇率となりました。
2.個別銘柄等
1億株の自社株を消却すると発表したソフトバンクグループ(9984)が東証1部の売買代金トップの商いを集めて3.6%の大幅高となりました。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金2位に入った小野薬品工業(4528)は11%の大幅安となりました。公表されたがん免疫薬「オプジーボ」の臨床試験結果が想定よりも結果が望ましくないとの見方が強まり売られたようです。任天堂(7974)や三菱UFJ(8306)も下げた一方で、トヨタ自動車(7203)、ファナック(6954)、ソニー(6758)、村田製作所(6981)などはしっかりでした。材料が出たところでは、通期の営業利益予想を従来の23億円から30億円に上方修正したベスト電器(8175)が10%近い大幅高となりました。一方で米連邦破産法の適用申請を検討していると報じられたタカタ(7312)は7.5%安と大幅に反落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株高と円安進行を好感して日経平均は上昇、1万7000円の節目を回復しました。今週は12日に連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、14日に9月の米小売売上高が発表されるほか、イエレンFRB議長や複数の地区連銀総裁の発言が予定されています。引き続き米国の追加利上げを巡る思惑が材料になりやすそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)