マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日本株は米国株安を受けて大幅反落 日経平均は節目の17,000円を割り込みほぼ安値引け
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて大幅反落となりました。節目の17,000円を割り込んで174円安の16,850円で寄り付いた日経平均ですが、売りが一巡するなか下げ幅を縮めると一時は70円安余りまで持ち直す場面もみられました。しかし、16,900円台半ばで上値を押さえられると前場は98円安で取引を終えました。後場は3桁の下げを続けながらも前場の安値を前に下げ渋っていた日経平均ですが、取引終了間際に下げ幅を広げ前場の安値を下回って本日の安値を付けると結局184円安の16,840円とほぼ安値引けとなりました。冴えない展開となるなか東証1部の売買代金は1兆8761億円となり、7営業日連続での2兆円割れとなっています。また、新興市場では東証マザーズ指数が3日続落となったほか、日経ジャスダック平均も反落となっています。
2.個別銘柄等
世界的な需要拡大に応えるため産業用ロボットの生産能力を現在より2割増やすと発表したファナック(6954)がしっかりで7日続伸となりました。また、財務省と金融庁がビットコインを通貨と同じ位置づけにし、ビットコインを買うときにかかる消費税をなくす調整に入ったとの報道を受けて関連銘柄のマネーパートナーズグループ(8732)が一時10%高近くまで上昇したほか、訪日客向けに化粧品などの消耗品が好調で9月の既存店売上高が前年同月比2.6%増となったドンキホーテホールディングス(7532)も3.0%高となりました。一方で世界鉄鋼協会が2017年に中国の鉄鋼需要が4年連続で前年割れとなる見通しを発表したことや、原料炭の価格の上昇が警戒され大手鉄鋼株が売られました。新日鉄住金(5401)が3.5%安となり、JFEホールディングス(5411)も5.2%安と大きく下げています。ローム(6963)は上期の営業利益を上方修正しましたが、経常利益を下方修正したことや、このところ株価が上昇基調にあったこともあって売りが出て4.3%安となっています。TDK(6762)も電池を供給する新型スマホ「ギャラクシーノート7」の販売を発火事故が相次いだことからサムスン電子が打ち切る方針を明らかにしたことで5.2%安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日に節目の17,000円を回復した日経平均ですが、本日は非鉄大手の米アルコア(AA)の冴えない企業決算を受けて米企業業績への不透明感が強まり米国株が大きく下げたことから17,000円を割り込みました。先週は米ISM景況感指数や米雇用統計など米国のマクロ指標に注目が集まりましたが、アルコアを皮切りに米国企業の決算発表が本格化することから、ここからしばらくは企業業績にも関心が集まりそうです。こうしたなか今週は14日にJPモルガン・チェース(JPM)やシティグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)などの金融大手が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)