マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は売り買い交錯し小幅に高安まちまち 日本市場は円安を好感して反発か
NYダウ: 18144.20 △15.54 (10/12)
NASDAQ: 5239.02 ▼7.77 (10/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は前日の大幅な下げで値ごろ感の出た銘柄に買いが入る一方で、原油価格の下落を受けて石油関連株が売られるなど売り買いが交錯するなか小幅に高安まちまちとなりました。前日終値を挟んで揉み合う展開でのスタートとなったダウ平均は、午後に入るとプラス圏での推移となりましたが、上値は限定的で結局15ドル高の18,144ドルと小幅に反発して取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント高の2,139ポイントと反発しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数はハイテク株や半導体株の一角に売りが出たことで7ポイント安の5,239ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、利上げの可能性が強まってきたとの見方でおおむね合意し、FRB内で早期の利上げ再開に向けた準備が整いつつあることが明らかとなりましたが、利上げの時期に関しては明確なヒントはなくマーケットへの影響は限定的でした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げました。そのなかでも不動産が1%を超える上昇となったほか、公益事業も1%近く上げています。一方でヘルスケアとエネルギー、素材の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
日用品のニューウェル・ブランズ(NWL)の工具事業を買収すると発表した米電動工具のスタンレー・ブラック・アンド・デッカー(SWK)が3%近く上昇しました。ニューウェル・ブランズも2%を超える上昇となっています。米レジャー機器メーカーのポラリス・インダストリーズ(PII)も四輪駆動車やトラックの部品製造・販売を手掛ける企業を買収すると発表したことで3%近く上げています。一方で7-9月期の業績が悪化するとの見通しを示したスウェーデンの通信機器大手エリクソン(ERIC)が急落しています。また、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)とエクソンモービル(XOM)が軟調となっています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比0.01%高い1.77%となりました。ドル円はFOMC議事要旨公表前に年内利上げが示唆されるとの観測から円を売ってドルを買う動きが先行し一時104円台半ばまで円安が進みました。議事要旨公表後には円を買い戻す動きも見られましたが、朝方は104円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は104円台を付けている円安を受けて反発してのスタートが予想されます。日中はドル円の動向をにらみながらとなりそうですが、こうしたなかで日経平均が上値を伸ばし節目の17,000円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)