マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均反発して始まるも円高進行を受け65円安と小幅に続落
1.概況
本日の日経平均は65円安の1万6774円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数もそれぞれ下落しました。昨日の米国市場は主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくかったものの、104円台まで進行した円安を好感し日経平均は83円高と反発して寄り付きました。日経平均は一時130円超まで上げ幅を拡大しましたが、11時に発表された中国の貿易統計が冴えない結果となると、ドル円が急速に円高に振れ、日経平均も上げ幅を縮めるとまもなくマイナスに転じました。後場に入るとマイナス圏でのもみ合いとなった日経平均は一時100円安まで値を下げましたが、やや値を戻して大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆8906億円と8営業日連続で2兆円割れとなりました。東証33業種は非鉄金属やその他製品など17業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や海運業など16業種が下げています。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は任天堂(7974)やトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、東芝(6502)などが上昇した一方で、ソフトバンクグループ(9984)や三菱UFJ(8306)などは下落と高安まちまちでした。昨日東京電力(9501)の管理施設で起きた事故を受け、電線需要が高まるとの思惑から関連銘柄が買われました。昭和電線ホールディングス(5805)が7%高となったほか、沖電線(5815)、フジクラ(5803)などもしっかりでした。その他材料が出たところでは、創業家の反対を受け来春に予定していた合併を延期する方針を固めたと報じられた出光興産(5019)、昭和シェル石油(5002)がそれぞれ下落しました。また、九州を中心にドラッグストアを展開するコスモス薬品(3349)は、昨日発表した第1四半期の営業利益が前年同期比36%増と好調だったことを受け5%近く上昇しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円安を好感して高く始まった日経平均ですが、円高進行を受け続落となりました。やや材料難といったところですが、引き続きドル円の動向をにらみながらの展開が続きそうです。また、連日2兆円を割り込んでいる東証1部の売買代金に回復の兆しが見られるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)