マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は米金融大手の決算を好感して反発 日本市場は小幅高でのスタートか
NYダウ: 18138.38 △39.44 (10/14)
NASDAQ: 5214.16 △0.83 (10/14)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は米金融大手の市場予想を上回る決算を好感して反発しました。取引開始後しばらくして160ドル高あまりまで買われたダウ平均ですが、ニューヨーク連銀総裁が年内の利上げを予想すると述べたと伝わると早期の利上げが意識され上げ幅を縮める展開となり、結局39ドル高の18,138ドルとこの日の安値で取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も0.8ポイント高の5,214ポイントと4日ぶりの反発となっています。
2.経済指標等
9月の米小売売上高は前月比0.6%増となり市場予想と一致しました。また、8月の米企業在庫は前月比0.2%増と市場予想を上回っています。9月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比0.7%上昇し市場予想を上回りましたが、10月のミシガン大学米消費者態度指数速報値は前月の91.2から87.9に低下し改善を見込んでいた市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融、情報技術など5種が上げました。一方でヘルスケアや公益事業、エネルギーなどの6業種が下げました。
4.個別銘柄動向
JPモルガン・チェース(JPM)とウェルズ・ファーゴ(WFC)は決算で1株利益が市場予想を上回ったものの買いが続かず軟調となりました。同じく決算が市場予想を上回ったシティグループ(C)は堅調となっています。また、最高経営責任者(CEO)の退任や業績見通しの据え置きを発表した製菓のハーシー(HSY)も堅調でした。ツイッター(TWTR)はセールスフォース・ドット・コム(CRM)が買収を模索しないと方針を決めたと報じられ大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は物価指標が上振れしたことを受け年内の米利上げを意識した売りが出て0.05%高い1.79%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国株高やドル円が引き続き104円台前半での推移となっていることを受けて本日の日本市場は小幅高でのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円の推移をにらみながらとなりそうですが、10月に入って9営業日連続で2兆円割れとなっている東証1部の売買代金の低迷が本日も続くのかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)