市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は下落して始まるも切り返し小幅に3日続伸 東証1部の売買代金は11営業日連続で2兆円割れ

1.概況
本日の日本市場は小幅に3日続伸となりました。米国株安とドル円が103円台後半を付けやや円高に振れていたことを受けて37円安の16,862円で寄り付いた日経平均は55円安まで売られましたが、底堅さをみせ下げ渋ると朝方の売りが一巡するなか切り返し10時過ぎにはプラスに転じ11時過ぎには46円高まで買われました。しかし、買い上がる材料に乏しいこともあって16,900円台半ばを前に上値を押さえられると前場は23円高で取引を終えました。前引けとほぼ同水準でスタートした後場は9円安とわずかにマイナスとなる場面もありましたが、直ぐに切り返すとドル円が104円近くまで円安となったこともあって前場の高値を上回って14時半過ぎには66円高まで上昇しました。その後も堅調に推移した日経平均は結局63円高の16,963円とほぼ高値引けで取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は1兆7731億円となり、11営業日連続で2兆円割れとなっています。また、新興市場では東証マザーズ指数が続伸、日経ジャスダック平均が4日続伸となっています。

2.個別銘柄等
決算発表シーズンが目前に迫っていることもあって業績に関わる材料で買われる銘柄や反対に売られる銘柄が幾つかみられました。通期の営業利益を賃貸アパートの建設事業で労務費が想定を下回ったことなどで従来の1070億円から1180億円へと上方修正し、配当予想も増額修正した大東建託(1878)や、上期の業績を上方修正した日本M&Aセンター(2127)が大幅高となったほか、上期の営業利益がアジアや国内で紙おむつなど家庭紙の販売が好調で10%減の期初予想に反して10%増の110億円程度となった模様だと報じられた大王製紙(3880)が堅調でした。一方で上期の営業利益を従来予想の65億円から120億円に上方修正した戸田建設(1860)や、「君の名は。」や「シン・ゴジラ」などヒット作が相次いだことで通期の営業利益を330億円から470億円に引き上げた東宝(9602)は、ともに減益予想が一転して増益となる見通しとなったものの材料出尽くしで売られています。また、業績予想を下方修正し最終損益が前期に続いて82億円の赤字になる見通しだと発表した船井電機(6839)が大きく下げ、8月5日に付けた上場来安値796円に後1円に迫る場面もみられました。業績以外の材料が出たところでは、外資系証券が目標株価を引き下げたことを受けて共立メンテナンス(9616)が大きく下げ年初来安値を更新しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】

本日の日経平均は下落して始まったものの、下げ渋ると切り返し上昇に転じました。ただ、本日も東証1部の売買代金は2兆円割れとなっており、上値を伸ばし節目の17,000円を一気に試すにはエネルギー不足だったという感じです。今晩の米国では米消費者物価指数(CPI)が、そして明日は取引時間中の11時に中国の7-9月期GDPが発表される予定で、米国の金融政策や中国の景気動向を判断するうえでマーケットの関心も高いことから相場を大きく動かす材料となる可能性もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


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