マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は強弱材料が入り混じる格好となるなか小幅に反落 日本市場は堅調なスタートか
NYダウ: 18162.35 ▼40.27 (10/20)
NASDAQ: 5241.83 ▼4.58 (10/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は3日ぶりに反落となりました。米中古住宅販売件数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数といった経済指標が市場予想を上回る一方で、冴えない決算や原油価格の下落が相場の重石となるなど強弱材料が入り混じる格好となるなかダウ平均は前日終値を挟んで揉み合い方向感に欠ける展開となりましたが、取引終盤では売りが優勢となり結局40ドル安の18,162ドルと小幅に下げて取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4ポイント安の5,241ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.2%増の547万戸となり市場予想を上回りました。10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も9.7となり前月から悪化したものの、市場予想は上回っています。9月の米景気先行指標総合指数は前月比0.2%上昇し市場予想と一致しています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3千件増の26万件となり市場予想を上回って悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が下落し、そのなかでも電気通信サービスは2%安と大きく下げています。
4.個別銘柄動向
決算が大幅減益となった保険のトラベラーズ(TRV)が6%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で46ドル近く押し下げています。また、決算が市場予想を下回ったベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も2%以上の下落となっています。一方で決算が市場予想を上回り、目標株価の引き上げが相次いだアメリカン・エキスプレス(AXP)が9%高となり、ダウ平均を1銘柄で38ドル近く押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では業績見通しが慎重だと受け止められたイーベイ(EBAY)が10%安と急落しています。なお、取引終了後に決算を発表したマイクロソフト(MSFT)は1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大きく上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い1.75%となりました。ドル円はドルがユーロに対して上昇したのを受けてドルが強含みやや円安に振れました。朝方は104円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ドル円が円安となっていることや、ドル円の想定レートを円高に修正しながら利益の通期予想を据え置いた安川電機(6506)の昨日の決算発表を受けて企業業績に対する過度な警戒感が後退しそうなこともあって本日の日経平均は昨日の地合いを引き継いでしっかりとしたスタートが予想されます。5連騰の後ということや、東証1部の騰落レシオも131%となり短期的な過熱感もみられ利益確定の売りが出やすいなか一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)