マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均130円高と続伸 JR九州の初値は公募価格を19%超上回る好調な滑り出し
1.概況
本日の日経平均は130円高の1万7365円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.4%安と4日続落しました。昨日ダウ平均が上昇したこと、ドル円が104円台前半まで円安に振れたことを受け日経平均は64円高と続伸して寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きが1日の安値になるとその後は徐々に上げ幅を広げる展開となりました。前場を106円高で終えた日経平均は13時頃に147円高と1日の高値をつけました。その後も堅調に推移した日経平均は130円高と高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1160億円と2兆円の節目を上回る活況でした。東証33業種は26業種が上昇、7業種が下落しました。任天堂(7974)が上昇を牽引したその他製品が上昇率トップだったほか、輸送用機器、その他金融業、銀行業など景気敏感セクターの一角が堅調でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップは、本日東証1部に上場したJR九州(9142)でした。公募価格2,600円に対し初値は3,100円と19%超上昇したものの終値は2,990円と初値を下回って引けています。その他の売買代金上位銘柄も堅調で、新型ゲーム機の発表以降下落が続いていた任天堂は3%近く上昇して3日ぶりに反発しました。また、昨日の大引け後に中間決算と今期業績予想の上方修正を発表した日本電産(6594)は堅調な業績が好感されて6.1%の大幅高となっています。今期の営業利益が前期比3割減になりそうとの観測報道が出たマツダ(7261)と富士重(7270)は業績への過度な不安が後退した格好になりそれぞれ2.9%高、1.7%高と堅調でした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
久々の大型上場が堅調だったことも市場のムードを好転させたのか、日経平均は続伸しました。また、安川電機(6506)や日本電産など決算発表を行った銘柄が堅調に推移していることも市場に安心感を与えているとみられます。ただ、東証1部の騰落レシオは約146%と昨日から10%ほど上昇し過熱感は高まっています。短期的な調整には注意をはらいたいところです。また、今夜の米国市場の取引終了後にアップル(AAPL)が決算発表を行います。一部メディアでは通期業績が2001年以降で初めて減収減益になるのではないかと報じられています。アップルの決算が市場の想定以上に悪いものとなれば、明日の日本市場で関連銘柄である村田製作所(6981)、イビデン(4062)、アルプス電気(6770)、太陽誘電(6976)などに売り圧力が強まりやすいとみられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)