マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場一部企業の冴えない決算や原油価格の下落が重石となり反落 日本市場は買い材料に乏しく売り優勢でのスタートか
NYダウ: 18169.27 ▼53.76 (10/25)
NASDAQ: 5283.40 ▼26.43 (10/25)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は一部企業の冴えない決算や原油価格の下落が重石となり反落となりました。朝方は小幅に上昇する場面もみられたダウ平均ですが、上値が伸び悩むと売りが優勢となり昼過ぎには70ドル安余りまで売られました。その後も軟調に推移したダウ平均は結局53ドル安の18,169ドルと反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も26ポイント安の5,283ポイントと3日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
コンファレンスボードが発表した10月の米消費者信頼感指数は98.6と前月から悪化し市場予想を下回りました。一方で8月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年同月比5.1%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業と生活必需品を除く9業種が下げました。なかでも一般消費財・サービスが1%を超える下落となったほか、素材も1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではホーム・デポ(HD)が3%を超える下落となり、2016年12月期の業績見通しを下方修正したスリーエム(MMM)とキャタピラー(CAT)も売られ、この3銘柄でダウ平均を75ドル近く押し下げました。一方で決算が市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が3%以上上昇し、通期の業績見通しを上方修正したメルク(MRK)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では従業員の削減を計画していると伝わったツイッター(TWTR)が大きく下げたほか、決算が市場予想を下回った米家電大手のワールプール(WHR)や、売上高の伸び鈍化が嫌気されたスポーツ衣料のアンダーアーマー(UA)が急落しています。なお、取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は減収減益となり時間外で下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.75%となりました。ドル円は104円90銭近くまで円安が進む場面がありましたが、米消費者信頼感指数の悪化を受けてドルが売られ、朝方は104円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は買い材料に乏しいことから売り優勢でのスタートが予想されます。東証1部の騰落レシオが146%となり短期的な過熱感も意識され、利益確定の売りも出やすいなかで日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)