マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均利益確定売りに押され55円安と小幅反落
1.概況
本日の日経平均は55円安の1万7336円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場が高安まちまちで材料になりにくいなか、市場全体にやや過熱感が出ていることも警戒されたのか日経平均は45円安と反落して寄り付きました。日経平均は10時前に一時プラスに転じるなど底堅さを示したものの上値を追う力強さはなく、再びマイナス圏に沈むと前場を50円安で終えました。ドル円がやや円高に振れたことから日経平均は後場寄りからやや下げ幅を広げると113円安と14時頃に1日の安値をつけました。日経平均はその後引けにかけてやや値を戻し小幅反落で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9449億円と2兆円を僅かに下回りました。東証33業種は14業種が上昇、19業種が下落しました。その他金融業や証券商品先物、不動産業などが堅調だった一方で海運業や空運業などが軟調でした。
2.個別銘柄等
決算発表を行った銘柄の値動きが目立ちました。今期の売上高や営業利益を下方修正した任天堂(7974)は朝方は大幅安で始まったものの、徐々に値を戻しプラスに転じると終値は1.5%高となりました。また、LINE(3938)は昨日発表した1-9月期の業績が物足りないとの見方から6.3%の大幅安となりました。富士通(6702)は本日の13時に発表した4-9月期の営業利益が市場予想を大幅に上回ったことで株価は発表後に急騰し7.8%高で引けました。オリックス(8591)は、4-9月期の業績は前年同期比増収減益に終わりましたが自社株買いの発表を行ったことなどが好感され8.3%の大幅高となりました。一方で今期3度目の業績予想下方修正を行ったキヤノン(7751)は3%安となっています。また、外資系証券が投資判断を引き下げた価格比較サイトやグルメサイトを運営するカカクコム(2371)は3.6%安と大きく下落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
過熱感を警戒した利益確定売りが優勢となり日経平均は反落しました。ただ、下落して始まったものの上昇して終わった任天堂や、市場予想を大幅に上回る決算を発表した富士通など今のところ企業の決算発表は順調に推移しているようです。東証1部の騰落レシオは依然としてやや過熱感がありますが、大きく下落せずに過熱感が解消し一段高となることを期待したいところです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)