マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場金利上昇が重石となり小幅に下落 日本市場は円安を好感し反発か
NYダウ: 18169.68 ▼29.65 (10/27)
NASDAQ: 5215.97 ▼34.29 (10/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は方向感に乏しい展開となるなか米金利上昇が重石となり小幅に下落となりました。昨日の終値を挟んで上下に50ドル余りの値幅で揉み合う展開となったダウ平均は29ドル安の18,169ドルと反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント安の5,215ポイントと3日続落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3千件減の25万8千件となり3週ぶりに減少したものの、市場予想ほどは改善しませんでした。また、9月の米耐久財受注額は前月比0.1%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も1.2%減とマイナスに転じこちらも市場予想を下回っています。一方で9月の中古住宅販売仮契約指数は前月比1.5%上昇の110.0となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や一般消費財・サービス、資本財・サービス、公益事業など8業種が下げ、不動産は2%を超える下落となっています。一方で電気通信サービスとヘルスケア、金融の3業種が上げ、電気通信サービスは1%を上回る上昇となりました。
4.個別銘柄動向
通期の1株利益の見通しを引き上げた製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)が大幅高となったほか、オランダのNXPセミコンダクターズを470億ドルで買収することで合意したと発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)も3%近く上げています。決算が市場予想を上回ったツイッター(TWTR)や化学大手のダウ・ケミカル(DOW)も小幅に上げています。一方で決算は増収増益だったものの、先行きの設備投資に伴う財務負担を警戒した売りに押された物流大手のUPS(UPS)が小幅に下げています。なお、取引終了後に決算を発表したグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL)は1株利益が市場予想を上回り時間外で買われています。同じく取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)は1株利益が市場予想を下回り時間外で大きく売られています。
5.為替・金利等
長期金利は、英国の7-9月期のGDPが市場予想を上回ったことを受けて欧州の長期金利が上昇したことにつられて0.06%高い1.85%となりました。ドル円は米金利上昇を受けて円安が進み105円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が105円台を付けている円安を好感して反発でのスタートが予想されます。短期的な過熱感も意識され利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が上値を伸ばし節目の17,500円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)