マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均109円高と反発し約半年ぶりの高値 今夜から来週にかけては日米とも材料が目白押し
1.概況
本日の日経平均は109円高の1万7446円と反発し、4月22日以来約半年ぶりの高値をつけました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。ドル円が7月以来約3ヶ月ぶりに105円台まで円安に振れたことを好感し、日経平均は111円高と反発して寄り付きました。日経平均は70円高まで上げ幅を縮める場面がありましたがその後再び上げ幅を広げると、前場を90円高で終えました。日経平均は後場に入っても堅調に推移し、引け間際に124円高と1日の高値をつけるとそのまま高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆1330億円と3兆円を超える商いとなりました。東証33業種は27業種が上昇しました。中でも証券商品先物、保険業、銀行業など金融関連業種が堅調でした。
2.個別銘柄等
日産(7201)が部品会社のカルソニックカンセイ(7248)を米ファンドに売却すると報じられ、カルソニックカンセイはストップ高となりました。日産も1.6%高としっかりでした。証券最大手の野村ホールディングス(8604)は4-9月期の純利益が前年同期比6%減となりましたが、市場予想を上回ったとして5%超の大幅高となっています。また、日立建機(6305)は4-9月期の営業利益が前年同期比63%減と冴えなかったものの、世界の油圧ショベルの需要見通しを従来から引き上げたことが好感されて3%近く上昇し年初来高値を更新しました。一方で花王(4452)は7-9月期の3ヶ月の営業利益が4%減の501億円と減益になったことが嫌気され、5.7%安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円安進行を好感し日経平均は109円高と反発しました。今夜から来週にかけては日米ともに非常に材料が多くなります。引き続き日本企業の決算発表が多く行われることに加えて、今夜の米国市場では7-9月期の米GDP速報値が発表されます。年率換算2.6%の成長が見込まれており、堅調な数値となれば年内利上げ可能性が益々高まるとしてドル高材料になる可能性がありそうです。そして、来週は10月31日から1日に日銀の金融政策決定会合が、1日から2日にかけて米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。どちらの会合も金融政策の現状維持が予定されていますが、特にFOMCは声明文に12月の会合での利上げ実施可能性が強いことが盛り込まれるかなどが注目されます。さらに、ISM景況感指数や米雇用統計など重要経済指標の発表も行われることから、来週はそれらを材料に大きな値動きが出る可能性がありそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)