マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は21円安と小幅反落 今週は重要経済指標の発表やクリントン氏のメール問題の広がりに注目
1.概況
本日の日経平均は21円安の1万7425円と小幅に反落しました。一方でTOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数などその他の主要指数は小幅に上昇しました。先週末の米国市場で、クリントン氏の私用メール問題をFBIが再捜査するとの発表を受け105円台半ばで推移していたドル円が104円台まで円高に振れたことが嫌気され、日経平均は85円安と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を縮めましたが、9時半頃から再度下げ幅を広げると10時半頃には118円安と本日の安値をつけました。結局76円安で前場を終えた日経平均はドル円がやや円安に戻したこともサポートになってか後場から下げ幅を縮めると、引け前には下げ幅を10円台まで縮めました。日経平均は21円安と小幅に反落しましたが、最安値からは100円近く下げ幅を縮めて大引けとなり底堅さを見せた格好となりました。東証1部の売買代金は2兆3298億円と連日で2兆円を上回る活況でした。東証33業種は大手3社がコンテナ事業を統合すると発表した海運業が4%を超える上昇で騰落率トップとなったほか、金属製品や保険業など14業種が上昇しました。一方でゴム製品や鉱業など19業種が下げています。
2.個別銘柄等
日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の海運大手3社が新会社を設立してコンテナ事業を統合すると発表しました。日本郵船は6.4%高、商船三井が5.6%高となったほか川崎汽船も小幅に上昇しました。そのほか本日も決算発表を行った会社の大きな値動きが目立ちました。中間期の営業利益が前年同期比15%の減益となったものの市場予想ほど悪化しなかったとして日立(6501)が5%超上昇しました。また、東京エレクトロン(8035)も5%近い上昇となりました。中間期の営業利益は2%の減益だったものの純利益は小幅に増加し、通期の業績予想を上方修正して配当予想も引き上げるなど業績の底堅さが好感されました。一方、アルプス電気(6770)は4%近い大幅安となりました。中間期が56%の営業減益となり、通期の業績予想を下方修正したことが嫌気されました。国内証券が投資判断を引き下げたことも売りを誘ったようです。
【VIEW POINT: 明日への視点】
安値から100円ほど下げ幅を縮めて小幅安で終えるなど日経平均は底堅さを示しました。今週は引き続き日本企業の決算発表が数多く行われるほか、日米の金融政策決定会合、ISM景況指数、雇用統計など重要なイベントや経済指標の発表が続き波乱含みの1週間となりそうです。また、突如再燃したクリントン氏の私用メール問題がどの程度拡大するかがマーケットの焦点となりそうです。この問題が大きくなってクリントン氏が支持を落とせば、不確実性を嫌う市場が調整局面入りする可能性もあり注意が必要です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)