マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米大統領選の不透明感を嫌気し日経平均は307円安と大幅反落 今夜はFOMCの結果発表に注目
1.概況
本日の日経平均は307円安の1万7134円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて大きく下落しています。昨日の米国市場はトランプ氏の支持率がクリントン氏を上回ったとの世論調査の結果を受けリスクオフムードとなりダウ平均は100ドル超下落しました。また、ドル円は104円程度まで円高に振れました。米株安と円高進行という外部環境の悪化を受け日経平均は204円安と大幅に反落して寄り付きました。前場の日経平均はやや下げ幅を縮める時間帯もありましたが、その後再び下げ幅を広げ前場を241円安とその時点の安値圏で終えました。日経平均は後場寄りから一段安になるとドル円が一時103円70銭程度まで円高に振れたこともあり、その後も下げ幅を拡大しました。13時半過ぎに361円安と1日の安値をつけた日経平均は、引けにかけてはやや値を戻したものの300円を超える下げ幅で取引を終えました。日経平均の下げ幅は8月3日に308円安となって以来約3ヶ月ぶりの大きさとなっています。東証1部の売買代金は2兆2079億円と4日連続で2兆円を上回りました。東証33業種は鉄鋼と食料品の2業種のみ上昇し、残る31業種は下げました。中でも非鉄金属が5%近く下げたほか、海運業も4.5%安と大きな下げとなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金トップの任天堂(7974)から9位の富士重工業(7270)まですべて下落しました。任天堂は0.2%の小幅安にとどまりましたが、残る8銘柄はいずれも2%~4%台の大きな下げとなりました。売買代金8位に入ったKDDI(9433)は中間決算で営業利益が前年同期比18%増と堅調でしたが、昨日まで7日続伸していたとあって材料出尽くしの利益確定売りに押されて4.4%安となりました。また、富士重工業は本日の13時に発表した中間決算で通期業績予想を下方修正したことが嫌気されたこともあり2.8%安となっています。一方でヤフー(4689)は4%近く上昇して逆行高となりました。昨日発表した中間決算で広告事業等に回復の兆しがあることが評価されたようです。また、新日鐵住金(5401)も3%超の上昇と堅調でした。通期の経常利益予想を据え置いたことが業績の安心感につながりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
市場はトランプ氏の米大統領就任可能性が上昇していることを警戒し、一時的にリスクオフムードとなっています。引き続き世論調査の結果に米国市場や外国為替市場は敏感に反応しそうです。また、今夜の米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。大統領選を直前に控えていることから今夜の会合では金融政策の現状維持が決定される見込みですが、声明文で次回会合での利上げ実施が示唆されるかどうかが注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)