マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日本市場は米国株安と円高で大幅続落 日経平均は11営業日ぶりに節目の17,000円割れ
1.概況
本日の日本市場は米大統領選の不透明感を受けての米国株安と円高を嫌気して大幅続落となりました。日経平均は170円安の16,964円と節目の17,000円をあっさり割り込んで寄り付くと、さらに下げ幅を広げ11時前には330円安余りまで売られました。300円を超えて下げたこともあって16,800円手前で下げ渋った日経平均は、102円台後半で推移していたドル円が103円台前半まで円安に振れたことから下げ幅を縮める場面もありましたが、16,900円台前半まで戻したところで上値を押さえられると前場は245円安の16,888円で取引を終えました。前引けからやや値を下げて寄り付いた後場はしばらく安値圏で推移したものの、300円安余りまで下落する場面もありながら前場の安値を割り込まなかったこともあって取引終盤でやや下げ幅を縮め16,900円台を回復しました。結局、日経平均は229円安の16,905円と終値で10月19日以来11営業日ぶりに17,000円を割り込んで取引を終えています。また、新興市場では東証マザーズ指数が3日続落となったほか、日経ジャスダック平均も続落となっています。
2.個別銘柄等
決算発表シーズンまっただ中ということもあって本日も決算に大きく反応する銘柄が目立ちました。第2四半期決算の営業利益実績が会社予想を大幅に上回ったルネサスエレクトロニクス(6723)が15.6%高と急伸しストップ高となったほか、通期の営業利益予想を275億円から市場予想を上回る290億円に引き上げた古河電気工業(5801)や、同じく通期の営業利益を上方修正し前期比で6割近い増益予想となったセガサミーホールディングス(6460)が大きく買われ、古河電気工業とセガサミーホールディングスは年初来高値を更新しています。反対に通期の業績を下方修正したダイセル(4202)やカシオ計算機(6952)、マツダ(7261)、オリンパス(7733)などが大きく下げ、ダイセルは17.8%安と急落しています。日中に決算を発表した銘柄では、第3四半期(1-9月期)の業績が市場予想に届かなかったユニチャーム(8113)や、通期の業績が最終赤字となる下方修正を発表した日揮(1963)が後場に下げ幅を広げ大幅安となっています。日本水産(1332)は通期の営業利益を上方修正したことで後場に大幅高となっています。決算がらみ以外ではスイス医薬大手ロシュと開発している血友病の治療薬の第3相臨床試験で血栓性の副作用が出たと伝わった中外製薬(4519)が大きく下げる一方で、10月の既存店売上高が前年同月に比べ6.5%増加したと発表したABCマート(2670)が大幅高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米大統領選の不透明感から休場前の2日に続き、本日の日本市場も大幅下落となりました。このため日経平均は先々週に抜けてきた週足の一目均衡表の雲の下限(17,063円)を下回って今週の取引を終える格好となってしまいました。来週は8日の米大統領選の結果で相場が大きく動く可能性がありそうですが、クリントン候補当選の場合には日経平均が再び雲の中に戻ってくるような展開が期待される一方で、反対にトランプ候補当選となれば一段の下値模索もありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)