マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は小幅続落 S&P500株価指数は36年ぶりの9日続落 日本市場は朝方の円安で反発か
NYダウ: 17888.28 ▼42.39 (11/4)
NASDAQ: 5046.37 ▼12.04 (11/4)
【米国株式市場】
1.概況
先週末の米国市場は米大統領選の不透明感が引き続き重石となり小幅続落となりました。朝方に40ドル安余りまで売られたダウ平均はまもなくしてプラスに転じるとその後はプラス圏での推移が続き一時は50ドル以上上昇する場面もありましたが、取引終盤にマイナス圏に沈むと引け間際には47ドル安まで売られこの日の安値を付けました。結局ダウ平均は42ドル安の17,888ドルと7日続落となり安値圏で取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の2,085ポイントとなり、およそ36年ぶりの9日続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント安の5,046ポイントと9日続落となっています。
2.経済指標等
10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比で16万1千人増となり市場予想を下回りましたが、8月が16万7千人増から17万6千人増に、9月が15万6千人増から19万1千人増にそれぞれ上方修正されたうえ、失業率が4.9%と前月から0.1ポイント低下し、平均時給も前年同月比2.8%上昇し2009年6月以来の高い伸びとなっています。また、9月の米貿易収支の赤字は前月比9.9%減の364億4000万ドルと市場予想を下回って昨年2月以来1年7カ月ぶりの低水準となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品やエネルギー、金融など6業種が下落し、生活必需品は1%近く下げました。一方で不動産やヘルスケア、素材などの5業種が上げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではプロクター・アンド・ギャンブル(PG)やトラベラーズ(TRV)などが軟調となる一方で、キャタピラー(CAT)やメルク(MRK)などが堅調でした。ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想を上回ったコーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)や、決算が増収増益となったメディア大手のCBS(CBS)が買われましたが、決算で売上高が大きく減った小型カメラのゴープロ(GPRO)や人員削減を明らかにしたコンピューター外部記憶装置のネットアップ(NTAP)が大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い1.77%となりました。ドル円は103円近辺で推移していましたが、米国のクリントン前国務長官の私用メール問題で連邦捜査局(FBI)のコミー長官が再捜査の結果クリントン氏の訴追を求めない方針に変わりはないと米議会に伝えたと伝わったことで朝方に急速に円安が進み103円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
朝方に急速に円安が進んだことで本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の17,000円を回復しそうで、2日と4日の下げをどこまで取り戻せるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)