市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

FBIがクリントン氏訴追せずとの報道を受け日経平均は271円高と大幅に反発

1.概況

本日の日経平均は271円高の1万7177円と大幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数などその他の主要指数も総じて上昇しました。先週末の米国株式市場は大統領選を巡る不透明感から下落し、S&P500は36年ぶりに9日続落となりました。ただ、本日の朝方にFBIがクリントン氏を訴追しない意向であると報じられ、クリントン氏が大統領選に勝利する可能性が高まったとの思惑が浮上しドル円が一時104円台半ばまで円安に振れたことを受け日経平均は220円高と大幅に反発して寄り付きました。ドル円がやや伸び悩んだこともあり日経平均は買い一巡後に上げ幅を縮めて一時は151円高となる場面がありました。その後再びドル円がじりじりと円安に振れると日経平均も再び上げ幅を広げ、前場を230円高で終えました。後場に入っても上げ幅を広げた日経平均は14時20分頃に281円高と1日の高値をつけると、そのまま高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9716億円と6日ぶりに2兆円に達しませんでした。東証33業種はパルプ・紙と水産・農林業を除く31業種が上昇しました。中でも円安進行が好感されて輸送用機器は2%を超える上昇で上昇率首位となりました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は幅広く上昇しました。トヨタ自動車(7203)や三菱UFJ(8306)、みずほ(8411)、ソフトバンクグループ(9984)などがいずれも2%前後の上昇となりました。売買代金5位に入ったスズキ(7269)は通期の営業利益予想を従来の1800億円から2000億円に上方修正し、増配予想も発表したことから7.2%の大幅高となりました。またライオン(4912)も通期業績予想と配当予想をいずれも従来予想から引き上げたことが好感され14%超の大幅高で上場来高値を更新しました。その他材料が出たところでは、公募増資を発表した長崎ちゃんぽんなどを運営するリンガーハット(8200)は11%近い大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】

米国市場はトランプ氏の大統領選勝利への警戒感が強まりS&P500が9日続落とリスクオフムードになっていましたが、本日の朝方に流れたニュースを受け日本市場はリスクオンムードとなりました。今週は何といっても8日の米大統領選(大勢が判明するのは日本時間9日のお昼以降の見込み)が最大の注目です。クリントン氏勝利となれば足元で進んだ調整からの巻き戻しが期待できそうですが、トランプ氏勝利となればネガティブ・サプライズで大幅な円高・株安が進行する可能性があり注意が必要です。明日の日本市場は結果判明を控えてやや様子見地合いが強まる可能性がありそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


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