マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米大統領選でクリントン氏が優勢と伝わり続伸 日本市場では大統領選の行方に注目
NYダウ: 18332.74 △73.14 (11/8)
NASDAQ: 5193.49 △27.32 (11/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米大統領選でヒラリー・クリントン氏が優勢と伝わったことを受けて続伸となりました。前日の大幅反発の後ということもあって下落して始まったダウ平均ですが、まもなくしてプラスに転じると昼過ぎには140ドル高まで買われ高値を付けました。その後やや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局73ドル高の18,332ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の5,193ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、資本財・サービスなど10業種が上げました。一方でエネルギーが小幅に下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではトラベラーズ(TRV)が2%を超える上昇となったほか、マクドナルド(MCD)とキャタピラー(CAT)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%を上回る上昇となりました。一方でデュポン(DD)とファイザー(PFE)、ウォルト・ディズニー(DIS)は小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が赤字となったうえ通期の業績見通しを下方修正したカナダの製薬大手バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)や、通期の1株利益の見通しを引き下げたドラッグストアチェーン大手のCVSヘルス(CVS)が急落しています。電気自動車メーカーのテスラ・モーターズ(TSLA)はEVバッテリーや燃料電池生産のオートメションシステムを手掛けるドイツのグローマン・エンジニアリングを買収すると発表したことで買われています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い1.85%となりました。ドル円は円安が進み105円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。日本市場の取引時間中に米大統領選の開票が行われ午後には大勢が判明するとみられますが、フロリダ州やオハイオ州など激戦区の結果に注目が集まるなか、クリントン氏勝利の可能性が高まるにつれて一段高の展開もありそうです。反対に大方の予想に反してトランプ氏が勝利となれば一転して下値模索となり大きく下げることになりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)