市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場はトランプ氏が掲げる景気刺激策に期待した買いから大幅続伸 日本市場は米国株高と円安で大幅反発か

NYダウ: 18589.69  △256.95 (11/9)
NASDAQ: 5251.07  △57.58 (11/9)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏が掲げるインフラ投資や規制緩和などの景気刺激策に期待した買いから大幅に3日続伸となりました。取引開始後しばらくは前日終値を挟んで揉み合ったダウ平均ですが、まもなくして買いが優勢となるとその後は上げ幅を大きく広げる展開となりました。取引終盤に320ドル高近くまで買われ8月15日に付けた史上最高値(18,636ドル)を上回る場面もあったダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの256ドル高の18,589ドルと大きく上昇して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント高の5,251ポイントとなっています。

2.経済指標等
9月の米卸売在庫は前月比0.1%増となり市場予想を下回っています。9月の米卸売売上高も0.2%増と市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、金融が4%高となったほかヘルスケアが3%を超える上昇となり、資本財・サービスと素材も2%以上上げています。一方で4業種が下げ、公益事業が3%を超える下落となり、不動産も2%を上回る下げとなっています。

4.個別銘柄動向
インフラ投資の拡大期待からキャタピラー(CAT)が7%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、薬価の引き下げの圧力が和らぐとの観測からファイザー(PFE)が7%高となり、メルク(MRK)も6%高となっています。また、金利上昇や金融規制緩和への期待からゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)も大きく上げています。さらにトランプ氏が石炭産業を保護するとしていることからコンソール・エナジー(CNX)も9%高となっています。一方でオバマケア撤廃の影響が懸念され医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が安く、病院を運営するHCAホールディングス(HCA)が急落しています。

5.為替・金利等
長期金利は巨額の減税や財政支出を公約に掲げていたトランプ氏が米大統領選に決まったことで財政が悪化するとの見方から前日比0.20%高い2.05%となりました。ドル円はリスクオフから一時101円台前半まで円高が進みましたが、米長期金利の上昇を受けて円安に振れ105円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株の大幅高に加え、ドル円が大きく円安となっていることから本日の日本市場は大きく反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日の下げを全て取り戻すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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