マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は史上最高値を更新 日本市場は円安もあり続伸か
NYダウ: 18807.88 △218.19 (11/10)
NASDAQ: 5208.80 ▼42.28 (11/10)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。米大統領選に勝利したドナルド・トランプ氏が掲げる景気刺激策に期待した買いが続きダウ平均とS&P500株価指数は4日続伸となったものの、時価総額の大きいネット関連銘柄の一角に売りが出たことでナスダック総合株価指数は4日ぶりの反落となりました。上昇して始まったダウ平均は昼前に伸び悩む場面もみられましたが、午後に再び上げ幅を広げると一時は280ドル高余りまで買われました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが、結局は218ドル高の18,807ドルと8月15日に付けた史上最高値(18,636ドル)を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,167ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は42ポイント安の5,208ポイントとなりました。
2.経済指標等
10月の米財政収支は440億ドルの赤字となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、金融が3%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも2%高、ヘルスケアが1%以上の上昇となっています。一方で5業種が下げ、生活必需品と公益事業、電気通信サービスが2%を上回る下落となりました。
4.個別銘柄動向
金利上昇や金融規制緩和の期待が続きゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)が4%を超える上昇となり、薬価の引き下げの圧力が和らぐとの観測でファイザー(PFE)も4%を上回る上げとなっています。そのほか自社株買いを発表したメットライフ(MET)が大幅高となり、決算が市場予想を上回った百貨店のコールズ(KSS)が急伸しています。一方で利上げ観測が強まるなか高配当株を売る動きからプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が3%を超える下落となっています。また、金利上昇を受けてバリュエーション面で割高感のあるネット関連銘柄に売りが出てグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL)や動画配信のネットフリックス(NFLX)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などが大きく下げています。最高執行責任者の退任を発表したツイッター(TWTR)も大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.09%高い2.15%となりました。ドル円ではさらに円安が進み106円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が大幅高となり史上最高値を更新したことや、ドル円も円安が進んでいることから本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の17,500円を引けで上回れるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)