マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均一時は280円近い上昇も終値は30円高と小幅続伸 来週もトランプ氏の言動や人事に注目
1.概況
本日の日経平均は30円高の1万7374円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も小幅に上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.4%安と反落しました。昨日の米国市場でダウ平均はトランプ氏の掲げる経済政策への期待から200ドル超の大幅続伸となりました。ダウ平均の上昇に加えてドル円が106円台後半まで円安に振れたこともあり、日経平均は182円高の1万7526円と大幅に続伸して寄り付きました。日経平均は昨日の勢いのまま上げ幅を280円近くまで広げましたが、大幅上昇への警戒感からその後は徐々に上げ幅を縮めると前場を49円高で引けました。週末を控えたポジション調整の動きも出たのか一時はマイナスに転じる場面もあった日経平均は、小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆6150億円と3兆円を超える大商いの日が続いています。東証33業種は保険業や銀行業など景気敏感セクターを中心に18業種が上昇しました。一方で情報・通信業、水産・農林業、食料品、小売業などの内需ディフェンシブセクターは軟調でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに三菱UFJ(8306)が入り、9%の大幅高となりました。同社の株価は2日間で21%超の大幅高となっています。また、売買代金2位に三井住友(8316)、4位にみずほ(8411)が入りそれぞれ4%前後上昇しました。トランプ氏の政策が金融セクターに有利に働くとの思惑が強まっているようです。また、トランプ氏が米国のインフラ投資に注力すると表明していることを受け、コマツ(6301)、日立建機(6305)がいずれも大きく上昇して年初来高値を更新しました。その他材料が出たところでは、ドラッグストアのサンドラッグ(9989)は10%超の大幅下落となりました。7-9月3ヶ月間の営業利益が前年同期比減益となるなど業績が伸び悩んだこと、大手証券が目標株価を引き下げたことが嫌気されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日からの大幅上昇への警戒感、また週末ということもあって一時大きく上昇した日経平均は30円高と小幅な上昇で取引を終えました。まさかのトランプ氏勝利で日経平均は919円安、翌日には1,092円高とジェットコースターのような値動きの1週間となりました。来週もトランプ氏の言動や重要人事の動向などに注目が集まる展開が続きそうです。また、経済指標では14日に発表される日本の7-9月期GDP、中国の鉱工業生産、小売売上高などが注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)