マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均107円台までの円安進行を好感し297円高と大幅続伸
1.概況
本日の日経平均は297円高の1万7672円と大幅に上昇し3日続伸となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末のダウ平均が上昇したこと、ドル円が106円台後半と引き続き円安基調が続いていたことなどを受け、日経平均は92円高と続伸して寄り付きました。寄り付き前に発表された7-9月期の日本のGDP速報値が前期比年換算2.2%の高い伸びとなったことも追い風となったのか、まもなくドル円が107円台半ばまで円安に振れると日経平均は上げ幅を大きく広げました。その後も日経平均は高値圏で堅調に推移し、前場を266円高で終えました。後場寄りから一段高となった日経平均は、大きく押し目をつけるような場面もなく推移すると14時半頃に上げ幅を320円超まで広げて1日の高値をつけました。その後日経平均はやや上げ幅を縮めたものの高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆6449億円と3兆円は下回ったものの、引き続き高水準でした。東証33業種は30業種が上昇しました。中でも海運業や証券商品先物といった景気敏感業種の上昇が目立ちました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った三菱UFJ(8306)は1.5%高と上昇し3日続伸となりました。その他にもトヨタ自動車(7203)やみずほ(8411)、三井住友(8316)、任天堂(7974)など売買代金上位銘柄は概ね堅調でした。材料が出たところでは、自動車用タイヤなどを展開する東洋ゴム工業(5105)が18%の大幅下落となりました。通期の営業利益予想を従来の520億円から440億円に下方修正したことが嫌気されました。一方で通期の業績予想を上方修正したリンクアンドモチベーション(2170)は13%の大幅上昇で年初来高値を更新しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は先週の上昇の勢いそのままに大幅に上昇しました。トランプ氏が次期大統領に就任することになり世界的にリスクオンになっていることが株価上昇の大きな要因と言えますが、日本企業の業績の底堅さも上昇要因の1つと言えそうです。本日でほぼ7-9月決算の発表が出揃いましたが、大幅な円高が進行する中でも日本企業の業績は全体として市場の想定よりも底堅いものでした。こうしたなか足元でドル円が107円台まで円安が進んでさらに外部環境が好転していることから、下半期の企業業績に期待が高まっているということでしょう。今週は引き続きトランプ氏の動向が注目される他、15日に発表される米小売売上高などが主な材料となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)