マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は4円安と小幅反落もTOPIXは上昇とまちまち
1.概況
本日の日経平均は4円安の1万7668円と小幅に反落しました。一方でTOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数は上昇と日経平均以外の主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国市場は高安まちまちで支援材料になりにくかったものの、ドル円が108円台まで円安に振れたことを受け日経平均は17円高と小幅に続伸して寄り付きました。日経平均はまもなく上げ幅を50円超まで広げましたが、昨日までの3日間で1,400円以上上昇していたことやドル円がやや円高に振れたことから利益確定売りに押される展開となりマイナスに転じると、一時は下げ幅を60円超まで広げました。ただ、日経平均は下値模索のような展開にはならず切り返すと10時半頃に再びプラスに転じました。前場を26円安と小安く終えた日経平均は、後場に入ると前日終値を挟んだもみ合いとなり大きな方向感は出ませんでした。引け間際にプラス圏で推移する場面もあった日経平均ですが、結局小幅安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5886億円と引き続き2兆円を上回る高水準でした。東証33業種は銀行業や倉庫運輸関連、医薬品など21業種が上昇しました。一方でパルプ・紙や海運業など12業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った三菱UFJ(8306)は中間期の経常利益が前年同期比18%減とさえなかったものの、自社株買いを発表したことが好感され4.2%の大幅高となりました。売買代金2位に入った三井住友(8316)も3.8%高と堅調だったほか、みずほ(8411)やトヨタ自動車(7203)など売買代金上位銘柄は概ね堅調でした。材料が出たところでは、ディー・エヌ・エー(2432)が4.5%高としっかりでした。MSCIスタンダードインデックスという指数に採用されたことが好感されたようです。また、通期の営業利益予想を従来の18.9億円から28.3億円に上方修正したヤーマン(6630)は13.5%の大幅高で東証1部の上昇率トップとなりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
上昇一服となった日経平均ですが、その他の主要指数は上昇と依然として日本市場はリスクオンの雰囲気に包まれています。ただ、日経平均の予想PERは昨日時点で14.86倍と15倍に近づいてきていることから、高値警戒感が徐々に強まってきているとみられます。今夜の米国市場では10月の小売売上高が発表されます。この後に控える年末商戦を前に米国の個人消費動向を捉える重要指標として注目されます。市場予想では前月比0.6%増と堅調な伸びが予想されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)