マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
109円台までの円安進行が好感され日経平均は大幅反発
1.概況
本日の日経平均は194円高の1万7862円と大幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。ダウ平均が7日続伸し4日連続で史上最高値を更新、ドル円が109円台まで円安に振れたことを受け日経平均は164円高と反発して寄り付きました。本日の日経平均は高値圏でのもみ合いとなりました。10時過ぎに上げ幅を140円足らずまで縮めた日経平均ですが、その後再び上げ幅を広げると前場を213円高とその時点の高値で終えました。後場に入るとより狭い値幅でのもみ合いとなった日経平均は、結局194円高と反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆8561億円と昨日を上回る活況でした。東証33業種は不動産業を除く32業種が上昇しました。中でも銀行業が5%を超える上昇で上昇率トップとなったほか、鉱業、倉庫運輸関連、保険業、パルプ・紙はいずれも2%を超える上昇となりました。
2.個別銘柄等
銀行株買いの勢いが続いています。東証1部の売買代金1位から3位までをメガバンクが占め、いずれも5-6%前後の大幅高となりました。その他にもあおぞら(8304)が9%高、三井住友トラスト(8309)が6.7%高など銀行各社は堅調な銘柄が目立ちました。また、任天堂(7974)はスマートフォン向け新作ゲームの「スーパーマリオラン」を12月15日からiPhone向けに配信を開始すると発表し、売買代金4位に入って2.8%高と買われました。その他にもトヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、富士重工業(7270)など売買代金上位銘柄はいずれも堅調でした。材料が出たところでは、日米欧の金融大手とシンガポールの中央銀行が年内にも仮想通貨技術を使った資金取引システムの実証実験を始めると報じられたことが刺激となり、フィンテック関連の一角が堅調でした。さくらインターネット(3778)が7%近く上昇したほか、ビットコイン送金サービスを開始すると発表したセレス(3696)は8%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
世界的なリスクオン状態が続いています。先週9日に一時101円台まで円高に振れたドル円は本日は109円台と1週間で8円ほど円安が進んだことになります。日経平均も先週の水曜日の終値から1,600円ほど上昇しており、利益確定売りが意識されやすい局面だとみられます。目先は1万8000円に到達して達成感が出るかというところがポイントになりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)