マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は史上最高値更新ながらナスダック総合株価指数は大幅安 日本市場は高値更新の後で売り優勢のスタートか
NYダウ: 19191.93 △68.35 (12/1)
NASDAQ: 5251.11 ▼72.57 (12/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。原油価格の上昇や金融規制緩和への期待、金利上昇などからエネルギー関連株や金融株が引き続き買われたことでダウ平均は続伸となったものの、ハイテク株に引き続き売りが出たことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続落となりました。一時90ドル高まで買われたダウ平均は午後に入り弱含む場面もありましたが、引けにかけて持ち直すと68ドル高の19,191ドルと25日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が7ポイント安の2,191ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は72ポイント安の5,251ポイントとなり前日に続いて1%を超える大きな下げとなっています。
2.経済指標等
11月の米新車販売台数は年率換算で1787万台となり市場予想を上回りました。11月の米ISM製造業景況感指数も前月比1.3ポイント上昇の53.2となり市場予想を上回っています。 一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万7000件増の26万8000件となり市場予想を上回る悪化となっています。10月の米建設支出は前月比0.5%増となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や資本財・サービス、電気通信サービスなど5業種が上げ、金融は1%を超える上昇となりました。一方で情報技術や不動産、公益事業、ヘルスケアなどの6業種が下げ、情報技術が2%以上下落したほか、不動産も1%を上回る下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では金融規制緩和への期待や金利上昇などからゴールドマン・サックス(GS)が3%を超える上昇となり、前日に続いてダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、原油価格の続伸を受けてシェブロン(CVX)が引き続き買われています。ダウ平均構成銘柄以外では決算で1株利益が市場予想を上回ったカルバン・クラインなどのブランドを持つアパレル大手のPVH(PVH)が買われたほか、ろ過装置大手のクラーコア(CLC)を総額43億ドルで買収すると発表した制御機器大手のパーカー・ハネフィン(PH)が大幅高となっています。クラーコアは買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。一方、決算で売上高や1株利益が市場予想を下回った1ドルショップを展開するダラー・ゼネラル(DG)が大幅安となったうえ、決算が大幅減益となり業績見通しを下方修正した衣料のエクスプレス(EXPR)も急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の上昇や経済指標の改善を受けて0.07%高い2.45%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなるなど買い材料に乏しいなか、日経平均が昨日に年初来高値を更新した後ということもあって本日の日本市場は売り優勢のスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)