マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は大幅続伸 ダウ平均は3営業日連続で史上最高値を更新 日本市場で日経平均は年初来高値更新か
NYダウ: 19549.62 △297.84 (12/7)
NASDAQ: 5393.76 △60.76 (12/7)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は大幅続伸となりました。小幅に下げて始まったダウ平均はトランプ次期大統領が薬価の引き下げに言及したことから薬品株の下げが重石となり午前中こそ小幅高で推移し上値の重い展開が続きましたが、次期政権への根強い政策期待から次第に買いが広がると午後に入って大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に一時上げ幅を300ドル以上まで広げたダウ平均は結局297ドル高の19,549ドルとなり3営業日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も29ポイント高の2,241ポイントと4日続伸となり11月25日に付けた史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント高の5,393ポイントと4日続伸となり11月25日の史上最高値まであと5ポイント余りとなっています。
2.経済指標等
10月の米消費者信用残高は前月比160億1785万ドル増の3兆7272億9698万ドルとなりましたが、市場予想は下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10種が上げました。そのなかでも電気通信サービスと不動産が2%を超える上昇となったほか、情報技術と一般消費財・サービスも2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。なかでもナイキ(NKE)が3%高となったほか、ホーム・デポ(HD)、ビザ(V)、IBM(IBM)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%近く上げています。一方でトランプ次期大統領が薬価の引き下げに言及したことからファイザー(PFE)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、メルク(MRK)が下げています。ファイザーは薬価引き上げを巡り英当局から8420万ポンドの罰金支払いを命じられたと伝わったことも嫌気されています。ダウ平均構成銘柄以外では10-12月期の収益見通しを引き上げたハードディスク駆動装置のウエスタンデジタル(WDC)に加え、孫正義ソフトバンクグループ社長がトランプ次期大統領と面会したことでM&Aを巡る思惑からソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)が急伸しています。旅客輸送実績が好調だった格安航空会社最大手のサウスウエスト航空(LUV)や、増配と自社株買いを発表したマスターカード(MA)も大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.34%となりました。ドル円はやや円高に振れ113円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は1日に付けた年初来高値(18,513円)を更新しそうですが、ドル円がやや円高に振れるなかどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)