マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は欧州株高を好感し3指数揃って史上最高値を更新 日経平均は連日で年初来高値を更新か
NYダウ: 19614.81 △65.19 (12/8)
NASDAQ: 5417.36 △23.59 (12/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、資産買い入れ期限の延長を決めた欧州中央銀行(ECB)理事会の結果や、減額した資産買い入れ額を必要に応じて増額することもあるといったドラギ総裁の記者会見でのハト派的な発言を受けての欧州株高を好感し3指数揃って史上最高値を更新しました。朝方は小幅に下落する場面もあったダウ平均ですが徐々に買いが優勢となると午後に上げ幅を広げ一時は115ドル高まで買われました。引けにかけて利益確定の売りに押されやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが65ドル高の19,614ドルとなり、4営業日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,246ポイントと5日続伸となり前日に続いて史上最高値を付けています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も23ポイント高の5,417ポイントと5日続伸となり、11月25日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件減の25万8千件となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や素材、エネルギーなどの8業種が上げ、金融は1%近く上昇しました。一方で資本財・サービス、生活必需品、電気通信サービスの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったスポーツ衣料を手掛けるルルレモン・アスレティカ(LULU)や、決算は市場予想を下回ったものの期末時点の受注残が過去最高となったネットワーク機器大手のシエナ(CIEN)が急伸しています。また、決算が減収となり最終赤字が拡大した総合小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)は売りが先行しましたが、売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから大幅高で取引を終えています。さらに決算が大幅増益だった会員制卸売大手コストコ・ホールセール(COST)も上げています。一方で製薬のホライゾン・ファーマ(HZNP)はフリードライヒ運動失調症の治療薬が臨床試験の最終段階で主要評価項目を満たさなかったと明らかにしたことで急落したほか、決算で最終赤字幅が拡大した税務申告代行サービスのH&Rブロック(HRB)も下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%高い2.40%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日に続いて年初来高値更新となりそうで、短期的な過熱感も意識されるなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。なお、本日は3カ月に一度のメジャーSQです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)