マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は欧州株高を受けて主要3指数が揃って史上最高値を更新 日本市場は米国株高で堅調なスタートか
NYダウ: 19911.21 △114.78 (12/13)
NASDAQ: 5463.83 △51.29 (12/13)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はイタリアの大手銀行ウニクレディトの増資計画を含んだ経営再建策を好感した欧州株高を受けて上昇し主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。上昇して始まったダウ平均はしばらくして120ドル高近くまで買われると一旦伸び悩み50ドル高まで弱含みましたが、その後切り返すと午後には一時160ドル高近くまで買われ20,000ドルの大台まで後50ドル弱に迫る場面もみられました。取引終盤でやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局114ドル高の19,911ドルと7営業日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も14ポイント高の2,217ポイントと反発し、2営業日ぶりに史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も51ポイント高の5,463ポイントと反発し、こちらも2営業日ぶりに史上最高値を付けています。
2.経済指標等
11月の米輸出入物価指数で輸入物価指数は前月比0.3%下落し3カ月ぶりのマイナスとなりましたが、市場予想は上回っています。輸出物価も前月比0.1%下落しましたが、こちらも市場予想は上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材と資本財・サービスを除く9業種が上げました。そのなかでもエネルギーと情報技術、公益事業が1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)が2%を超える上昇となり、上昇率トップとなりました。次期米国務長官にレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)が指名されたことでエクソンモービル(XOM)も2%近く上げています。一方で2016年と2017年通期の業績見通しが慎重と受け止められたスリーエム(MMM)や、投資判断の引き下げがあったコカ・コーラ(KO)が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では増配を発表した製薬大手のイーライ・リリー(LLY)が買われました。また、決済管理システムのベリフォン・システムズ(PAY)は決算が好感され急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は前日と変わらずの2.47%となりました。ドル円は小動きで115円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
主要3指数揃って史上最高値を更新した米国株高を好感して本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。米FOMCの結果発表を明日の未明に控え、短期的な過熱感のあるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうですが、寄り付き前の8時50分には大企業製造業DIで改善が見込まれている12月の日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)